NPO法人「大ナゴヤ大学」(名古屋市中区大須3)が2月13日、ニンジン農家を講師に招き、野菜の流通や食べ頃について学ぶべる「授業」をオンラインで行う。
「まちじゅうがキャンパス」「誰でも先生、誰でも生徒」を活動の軸に掲げ名古屋を中心とした東海圏でさまざまなテーマを「授業」とするイベントを開いている同NPO。今回は月に一度無料で開く企画「大ナゴヤの日」に開催し、広く参加を募る。
当日の授業タイトルは、「目からウロコの野菜の新常識~にんじん農家が今考えていること」。企画者の一人、北原早知子さんがボランティア活動で知り合った各務原市のニンジン農家「フォレストファーム」社長の林亮輔さんに授業を持ち掛けた。ニンジンの生産が盛んな各務原市だが、生産者は60代が多い中、家業を継いだ林さんは現在、30代の若手。
北原さんによると林さんと出会ったのは2年前。「当時、収穫期は毎日、規格外のニンジン500キロを廃棄するという問題を受け、ふぞろいのニンジンを使った加工品作りを手伝った」と話す。これを踏まえ、「フードロス」をテーマに授業案を提示したが、林さんの考えが180度、変わっていたと振り返る。
「この2年間で林さんはニンジンだけでなく、さまざまな野菜の勉強をしてきたと聞いた。弁当などの食べ物を捨てるフードロス問題はよくないと思うが、野菜においてはフードロス問題で規格外が認められてしまうと、正規の野菜の価値が下がってしまうのではないかという危機感があると聞き、林さんが考えていることを素直に届ける授業にしようと変更した」(北原さん)。
授業では、ジャガイモや玉ネギ、ニンジンなど、それぞれ収穫期がある野菜が年中店頭に並べられ安定供給される流通の仕組みや産地との関係、野菜本来の旬についてレクチャーする。
「コロナ禍で外出が減る中、衣食住への意識が高まっている。いいものをお取り寄せして自宅で食べることなどが人気だが、スーパーマーケットで普通に売っている野菜について考えるきっかけになれば。農家の人から直接聞ける機会。野菜のおいしい食べ頃を知ってほしい」。オンライン開催のため、全国からの参加を呼び掛ける。
申し込みは同NPOのホームページで受け付ける。参加無料。定員は20人(多い場合は抽選)。申し込み受け付けは1月27日24時まで。定員に満たない場合は2月12日13時まで先着順で受け付ける。開催時間は10時30分~12時。