
書店関係者以外の人たちも含め、各方面から多くの人が集まりイベント成功へ向けて気持ちを高め合った。会場のあちらこちらでは「横のつながりを作るいい機会」と、にぎやかに名刺交換や意見交換を行う姿が多く見られた。参加者の一人は「普段なかなか交流のない、他業種の人や書店同士がひとつになれるイベントは珍しく、楽しい試み」と笑顔で会場を眺めていた。
大型書店から小規模な古本店や雑貨店、カフェなど、さまざまなジャンルの店舗がひとつになってイベントを進めていくには、多くの人の理解を得るための入念な打合せが必要となる。しかし、今回のイベントは10月に企画が持ち上がり、2月のイベント開始まで約3カ月しか時間がなかった。それは、イベントを多くの人に告知する十分な時間が取れなかったということ。イベント前の打合せでは、「オアシス21」にある観光案内所で積極的にアピールしてもらう、土曜・日曜専用の市バス・地下鉄1日乗車券「ドニチエコキップ」を使って各店を回った場合は割り引きする、各駅にポスターを貼ってもらうなどといった、「街全体をイベントに引っ張り込む」案が多く出されていた。
そもそも名古屋の街は「寄り道文化がないのでは」と言われている。「東京などでは、駅と駅の間に小さな店舗などが点在し、各エリアが発達してきた。そのため、人々は歩きながらその都度、街についての新たな発見をすることができる土壌ができている」と話すのは、東京から名古屋に赴任して1年半という「リブロ」の辻山さん。
準備期間が短かったとはいえ、名古屋初の同イベントは、多くの地元メディアに取り上げられた。そのため、イベント開催後の週末は、リーフレットを手に各店舗を回る人が多く見受けられた。
