大学生3人が発行する写真中心のフリー誌「オー」、個人広告のあり方探る

「[OoooO](オー)」表紙

「[OoooO](オー)」表紙

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 昨年4月に創刊された写真中心のフリーマガジン「[OoooO](オー)」の第6号が2月17日から、名古屋を中心としたカフェや雑貨店などで配布されている。

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 「雑誌が大好きで、いつか『zine』を作りたいと思っていた」という愛知淑徳大学4年生の丸山達彦さんと佐藤匡将さん、愛知大学4年生の石原龍男さんの3人が昨年4月に制作を開始。「マガジン、写真、カルチャーが好きな3人が集まり、それぞれの好きなものを形にするために冊子を作っている」(丸山さん)という。

 同誌に掲載している写真はすべて一般からの応募によるもので、広告はほとんど掲載していない。「企業が自社の製品、名前を売り込むために広告費を出し雑誌が発刊される形から、7:3(個人:企業)の参加比率を目指し、個人が企業の代わりにお金を出し発刊する新しい形を提示したい」と写真やアート、旅の思い出の記事、告知広告などを募集し、参加者は項目ごとに設定された3,500円~6,000円の参加費を支払う仕組み。

 「印刷してこその写真。画面上で好きな写真を見てももの足りない。写真は何かに印刷されてこそのもの。文字よりもビジュアルをメーンとした雑誌作りを目指し、データという方法以外の保有できる形としてオーを利用してほしい」と丸山さん。「写真をウェブ上で公開したり個人で写真集を作るのではなく、雑誌という編集された紙媒体を通すことで展示会などにこない人にも気軽に手に取って見てもらうことができるのでは」とも。

 応募作品は、1人1枚の写真を確実に掲載するスタンスをとっているという。「写真の善しあしを行う選考は一切行っていない。強いて選考という言葉を使うならば、どこにどの写真を掲載するかの選考のみ。あくまで全体のバランスをとりながら選んでいる」。

 今後について、丸山さんは「今は参加者の作品同士がオーという紙面上で交流している。これからは作品同士の交流だけでなく、制作者同士の交流の場をより積極的に企画していきたい」と話す。「企業と同じように『個人』が雑誌に広告を載せる時代がやってきたと考えている。ギャラリー、ライブ、合同展示など、オーを見てくれている人が興味を抱きそうなイベントを「個人の広告」としてオーに掲載していきたい」とし、「展示会やイベントなどを行う方に、フライヤーやDMの代わりに雑誌に載せて宣伝することを、これからも提案していきたい」と意気込む。

 体裁はA4サイズ32ページ、オールカラー。2カ月に1回のペースで発行している。

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