「ぴあ中部版」が休刊、CATV局と業務提携し月刊フリーマガジン化

「月刊ぴあ×starcat東海版」について話す同誌副編集長の阿部慎一郎さん

「月刊ぴあ×starcat東海版」について話す同誌副編集長の阿部慎一郎さん

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 1988年(昭和63年)9月に創刊した「ぴあ中部版」が現在発売している6月3日発売6月17日号を最後に休刊する。同時に地元ケーブルテレビ局「スターキャット」と業務提携し、同社が毎月会員向けに発行している冊子「ta☆crat’s(ティー・エー・クラッツ)」と統合。月刊フリーマガジン「月刊ぴあ×starcat東海版」を創刊した。

 「月刊ぴあ×starcat東海版」は、スターキャットのテレビ加入者世帯約10万世帯に配布しているテレビガイド誌「月刊スターキャット」の同梱宅配をメーンに配本。そのほかライブハウスや映画館などでも2万部を無料配布する。

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 ページ数はこれまでの約150~200ページから48ページに縮小するが、発行部数は隔週で3万部を発行していた「ぴあ中部版」から一気に4倍の12万部へと跳ね上がる。「『書店に情報を買いにいく』という行為はハードルが高くなってきており、出版不況と言われる現在は『何かを見たいと思っている、エンターテインメント情報のニーズが極めて高い読者層』に向けてダイレクトに情報発信することができるメリットもある」と同誌副編集長の阿部慎一郎さん。

 「スターキャット側には、契約者の方々に直接『ぴあ』を届けられることにメリットを感じてもらっている」と阿部さん。「基本的には今までの編集部で、編集方針を変えずに情報を配信していくが、東京の記事の流用はやめ、より地域に密着した情報を優先に配信していく」という。

 名古屋市内の映画館の運営なども行うスターキャットはこれまで、「どのように情報発信していくか」を模索し、ぴあ側は押し寄せる出版不況の波の中「次の動き」を模索していた。双方のニーズが合致し、昨年の暮れごろから水面下で進められてきた業務提携の話は、今年スターキャット側が20周年を迎えるにあたり加速したという。

 「チケット販売業やエンターテインメント界とのパイプを持っている『ぴあ』と、インフラや独自のチャンネルを持っている『スターキャット』。互いのパイをどう生かすかを課題に双方で積極的に可能性を探っている状態」と阿部さん。「全国的に見ても今回のような動きは珍しく、編集部内でまだまだ戸惑いもあるが、時代は常に変わっているので、ノウハウを生かしながらも価値観や考え方をフラットにして新しい取り組みを積極的に行っていきたい」とし、「単に新しいフリーペーパーが生まれたのではなく、メディアとメディアがタッグを組んで作る新しい媒体ととらえてもらえれば」と紹介する。

 今後は、共同でウェブ上での情報配信のあり方を模索したり、同じ記事企画に対してそれぞれが得意とする業界で営業していくことなど、双方のメリットを打ち出しながら可能性を探る。阿部さんは「いつか両社で独自のチャンネルを作って番組配信も行いたい。今までよりもとても可能性を感じている。これからも新しい発見をしていくことができれば」と期待を込める。

 発行は毎月1日。