4年ぶり8回目のセ・リーグ優勝を果たした中日ドラゴンズが11月20日、「優勝報告会」と「応援感謝パレード」を行った。
ドラゴンズブルーの晴天が広がった当日、9時30分から久屋大通公園(名古屋市中区栄)の「光の広場」で優勝報告会が行われた。選手が登場するまでの間、ドラゴンズの大ファンだというタレントの宇梶剛士さん、水野裕子さんと、公式ファンクラブ名誉会員のスタジオジブリ社長でプロデューサーの鈴木敏夫さんが登場し、ドラゴンズの活躍を振り返った。
宇梶さんが「山本昌さんは自分と同世代なので、その活躍にはとく震えた」と話したのを受け、水野さんは「今シーズンは逆転勝ちやサヨナラ勝ちなどが多く、本当にドキドキすることが多かった」と振り返った。鈴木さんは「今年は144試合全てをビデオに撮って見た。ドラゴンズの試合は氷細工を組み合わせていくかのような、映画にも通じるシナリオがある」と、その魅力を語った。
続いて登場した神田真秋愛知県知事、河村たかし名古屋市長、白井文吾中日ドラゴンズオーナーらもそれぞれ、ドラゴンズの活躍をねぎらい称賛した。ことあるごとにドラゴンズファンを公言している河村市長は「中日が勝つとうれしいわな!名古屋は『燃えよドラゴンズ』を国歌にせにゃいかん!」と言い、突然「燃えよドラゴンズ」を熱唱。「また来年もしっかりやってちょ!」と締め、会場を盛り上げた。白井オーナーは「皆さんの熱烈な応援には感動した。15回引き分けという長丁場でも、皆さんはじっと選手の動向を見つめ熱い声援をくれた。今回のパレードは感謝の気持ちを込めて『応援感謝パレード』と銘打った。本当に皆さんありがとうございました」と述べた。
選手たちが入場すると、会場のボルテージは一気に上がり、各選手への声援が飛び交った。ファンを前に落合博満監督は「これまで本音で話すことはあまりしてこなかったが、ここでは本音で話したいと思う」と前置きをしてあいさつを始めた。「今シーズンが始まる前に選手たちに言ったのは、『クライマックスシリーズ、日本シリーズについては頭からはずせ。まずは、セ・リーグ優勝。これに絞って戦ってくれ』ということ。ペナントレースで勝って、クライマックスで勝ち、そして日本シリーズに進んでいくことが大前提。選手の中には、クライマックスで勝てればいいと思っている感じもある。どう選手の意識を変えていくかと、多くの厳しい言葉もぶつけてきた。その度に選手たちは『なにくそ!』と踏ん張ってくれ、最終的には4年ぶりのセ・リーグ優勝を持って来てくれた」としながら、「一番の大きい山を乗り越え次に大きい山も乗り越えたが、一番低い山でつまずいてしまった」と監督。「でも、この7年間で今年ほど選手を褒めてやりたいと思ったことはない。勝つ喜びも負ける悔しさも味わった。来年は今年よりももっと大変な年になるだろう。連覇をクリアして、まだ中日がなし得ていない、本当の意味での勝ちを味わいたい」と締めくくった。
続いて森野将彦選手は「今年1年は辛い思いもしたが、1勝の重み、野球の素晴らしさを教えてもらったシーズンになった。そしてドラゴンズは本当に愛されているとも実感している。来年は日本一になりたい」と力強く語った。最後に小田幸平選手恒例の「やりましたー!」コールの後、和田一浩選手が万歳三唱を行い、報告会を締めた。
続いてパレードへ。各車両に乗り込んだ選手たちは10時45分、沿道を埋める約50万人のファンらの歓声に応えながら出発、名古屋駅南側の笹島交差点までゆっくりと感謝のパレードを行い、街全体がドラゴンズの優勝に沸いた1日になった。