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大須に30年ぶり映画館復活 来年3月開館に向けプレイベント

30年ぶりに大須に映画館が復活。「大須シネマ」代表の中川健次郎さん(大好きだった石原裕次郎出演映画のポスターの前で)。

30年ぶりに大須に映画館が復活。「大須シネマ」代表の中川健次郎さん(大好きだった石原裕次郎出演映画のポスターの前で)。

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 大須商店街に来年3月21日、映画館「大須シネマ」がオープンする。現在、同館建設予定地(名古屋市中区大須3)でプレイベントを開催している。

「大須シネマ」予定地でプレイベントを開催中

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 大須地区は昭和初期には23館の映画館が建ち並び、戦災でほとんどが焼失しながらも戦後に14館が再建され、娯楽の場としてにぎわった。テレビの普及などにより映画館が姿を消していき、商店街が衣料、パソコン、サブカルとさまざまに変容していく中で、1989(平成元)年に大須最後の映画館が廃館。以後、映像作品の上映を行うカフェ「シアターカフェ」や映画上映イベントなどはあったものの、街に映画館のないまま約30年が過ぎた。

 30年ぶりに大須に復活する映画館「大須シネマ」は、元は喫茶店だった建物跡にオープンするミニシアター。敷地は約百平方メートルで座席数は42席、館内にはテイクアウト型の飲食店を併設する予定。運営するNPO法人「大須シネマ」代表の中川健次郎さんは大須生まれ。「大須は名古屋で初めて映画館が生まれた街で、ここで生まれ育った僕にとって映画は生活の一部だった。映画を通して人生の喜怒哀楽を学んだ」と話し、「大須の公設市場内のスペースを利用して映画の鑑賞会を行っていたが、いつも多彩な年齢層の人々が集まった。映画の力を感じ、大須に映画館を復活させたいとの思いで、設立に向けて動き出した。大須シネマを老若男女が集まる交流の場にしたい」と開館への思いを語る。

 上映する作品は懐かしの名画や子どもも楽しめるもの、アニメや短時間で観覧できるショートムービーなどをラインナップし、「ごった煮の街」大須らしいバラエティー豊かな映画館を目指すという。中川さんは「映画を通した地域の文化振興はもちろん、にぎわいを生み出すためにも多くの観客を呼べるような運営をしたい。映画館が好きな昔からの映画ファンのほか、映画とさまざまな映像コンテンツの境を気にせず楽しんでいるような若い世代も足を運んでもらえるような場にしたい。ギャラリースペースを作り、展示企画も行いたい」と意気込む。

 プレイベントでは、大須にあった映画館に関する資料や昭和時代の映画ポスターの展示、映画パンフレットの展示販売などを開催。大学生らの制作したアニメーション作品の映像展示、映画フリーペーパーの展示、地元高校生らアーティストの絵画展示などを行っている。15日・16日にはピアノアンサンブルによる音楽会を開催する。

 15日には「大須シネマ発表会」を開催。店舗や上映プログラムについて紹介する。中川さんは「愛される映画館になるには、その時代に合った作品を提供することが大事。ノスタルジックなことばかり言わずに、いいものを提供しないと観客は集まらない。今の大須という街に合った映画館になりたい」と話す。

 プレイベント開場時間は11時~17時(水曜定休)。12月24日まで。

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