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古書収集家・古沢和宏さんが単行本「痕跡本のすすめ」-古本の新しい楽しみ方紹介

「痕跡本のすすめ」を出版した古沢和宏さん

「痕跡本のすすめ」を出版した古沢和宏さん

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 春日井市在住の古書収集家の古沢和宏さんが、古本の新しい楽しみ方を提案する単行本「痕跡本のすすめ」(太田出版)を1月26日に出版した。

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 「痕跡本」とは、傍線や書き込みなど前の持ち主の痕跡が残された本のこと。痕跡の種類は書き込みのほかにも、傷や破れ、汚れ、ページの間に挟まったメモやレシートなど幅広い。同書は古沢さんが古本の世界に深くはまり込むきっかけになった最初の痕跡本との出合いから、個性豊かな数々の痕跡本の解説、痕跡から推理した持ち主の物語、痕跡本を探すコツなど、古本の新しい魅力と楽しみ方を紹介している。

 古沢さんは「通常の古本市場では美麗な本に比べて敬遠されがちだが、痕跡本には前の持ち主がその本と過ごした時間、物語が刻まれている。人と本の関係で生まれた世界に一冊だけのもの。いずれ人気や希少性などと共に、痕跡も古本の価値として評価されるようになれば」と話す。

 古沢さんは名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学)を卒業後、犬山市犬山薬師町にあるギャラリー「キワマリ荘」で古書店「五っ葉文庫」を開店。一度は閉店したが、大須のギャラリー「アートフェチ」のスペースを借り古書販売を再開。その後、再びキワマリ荘に出店した。現在はキワマリ荘の閉館で一時休業中だが、全国のブックイベントなどに精力的に出演しながら、建物の再開計画を注視しているという。

 古沢さんは2月26日、本山の「シマウマ書房」で出版記念トークを開催。3月21日には今池の「TOKUZO」でトークライブ「知られざる痕跡本の世界」に出演する。「僕自身、痕跡本集めをして、それまで全く興味のなかった本に触れる機会ができた。この本が、皆さんと本の新しい出合いのきっかけになればうれしい」と話す。

 体裁はA5判変形、160ページ。価格は1,365円。

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