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市川猿之助さん、中車さんが栄でお練り-御園座最後の公演「三月大歌舞伎」PR

「三月大歌舞伎」への意気込みを語る市川猿之助さんと市川中車さん

「三月大歌舞伎」への意気込みを語る市川猿之助さんと市川中車さん

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 栄の御園座(名古屋市中区栄1)で2月25日、市川猿之助さんと市川中車さんが劇場の周りを歩くお練りを行い、集まった約3000人の観衆が声援を送った。2人は3月2日から同劇場で開幕する「御名残御園座 三月大歌舞伎」に出演する。公演は3月26日まで。同劇場は3月末で建て替えによる閉館となるため、現在の劇場での最後の公演となる。

御園座周辺でお練りを行った市川猿之助さんと市川中車さん

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 2人は2012年6月にそれぞれ4代目市川猿之助、9代目市川中車を襲名。俳優「香川照之」として映画、ドラマで幅広い活躍をしていた中車さんの40代を迎えてからの襲名は、大きな話題となった。中車さんの父、3代目市川猿之助さんは2代目市川猿翁を襲名。三月大歌舞伎は3人が勢ぞろいする襲名披露公演となる。

 猿之助さん、中車さんが劇場東玄関前に登場すると、観衆の大きな歓声。紙吹雪が舞う中、2人は伏見通りから御園銀座商店街、御園座通商店街と劇場周囲を約30分かけて練り歩いた。通りの両脇を埋めた観衆は、猿之助さん、中車さんが近づくと「沢瀉屋(おもだかや)」の掛け声や拍手を送り、2人は笑顔で手を振り、声援に応えた。

 劇場正面玄関に到着した2人は、御園町内会、御園座通商店街からの花束を受け取り、集まった観衆にあいさつをした。猿之助さんは「悲しいことに、この建物での公演は最後。どうか最後の歴史的瞬間に立ち会っていただきたい。寒さに負けない、熱い舞台を努めたい。皆さんの応援なくしては乗り切れないので、ぜひよろしくお願いします」と公演への意気込みを語った。中車さんは「こんなにたくさんの方を前に、お練りができたことを感謝している。歌舞伎の道に入り、襲名から8カ月が過ぎた。歌舞伎の奥の深さ、折り目の正しさ、繊細さ、豪快さなど多くのものを感じ、今は本当に生きている実感がする。沢瀉一門の芸を、ぜひ見にきていただきたい」と来場を呼び掛けた。

 長谷川栄胤御園座社長は「最後の公演が2人の襲名披露になることは、非常に思い出深いものになる。2人には今後の歌舞伎界、沢瀉屋を引っ張っていただきたい。皆さんも、ぜひ御園座にお越しいただき、思い出を作ってもらいたい。舞台を見て、日本の伝統、歌舞伎は素晴らしいと、あらためて認識していただきたい」と話した。

 猿之助さんは「三月大歌舞伎」昼の部で、猿翁十種の一つで人気の舞踊劇「黒塚」に出演。安達原鬼女を演じる。夜の部では義太夫狂言の傑作「義経千本桜」で源九郎狐を演じる。中車さんは昼の部で「小栗栖の長兵衛」の長兵衛、夜の部では襲名披露狂言として「ぢいさんばあさん」の美濃部伊織を演じる。襲名披露の口上も行われる。ほかに坂田藤十郎さん、中村梅玉さんらが出演し、襲名披露公演に華を添える。

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