ナディアパーク・国際デザインセンター(名古屋市中区栄3)4階のクリエーターズショップ「Loop(ループ)」(TEL 052-265-2106)で2月27日から、若手陶芸家による「イケヤン★エキシビジョンリレーvol.6 『桑田智香子展』」が行われている。
桑田智香子(くわた ちかこ)さんは、広島県尾道市出身の陶芸家。名古屋芸術大学に進学後、「もっと専門的に陶芸を勉強したい」と、瀬戸窯業高校に入学。「陶芸を仕事にしたいと思い始めたのは、このころ。瀬戸市は陶芸に欠かせない土がよく採れるので、環境的にも、先生や先輩にも恵まれた」と振り返る。現在も瀬戸市で制作活動を行う。
「作品作りには、手触りや大きさ、重さなど、『使うこと』を意識している」と桑田さん。器の外側に見られる、特徴的な削り模様は、一つ一つ手彫りで、焼き上げる前の生地のときに行うという。「長時間作業を続けると手が痛くなるが、彫る作業が好き」
今回は、食器、花器、茶道具など、土や上薬の異なる4シリーズを展示・販売。「桃の節句や春を意識した作品」が200点ほど並ぶ。特に、新作の「ピンク」シリーズは、マーブルで滑らかな色合いを見たお客さんから「おいしそう!」との声も。「(新作は)流れるピンク色の釉薬(ゆうやく)で線を引いて模様付けをしている。焼き上げたときに釉薬がにじむ感じが面白かった。コップの底面も全て手描きで、内側と外側の模様が違う点もこだわっている」という。また、「大人と同じデザインで子ども用の食器を作ってほしい」というお客さんからのリクエストで、3つのサイズのめし茶わん(大・3,150円、中・2,940円、小・2,730円)も販売している。
同展は、陶芸家・青木良太さんが主体となって行う、グループ「IKEYAN★(イケヤン)」のリレー方式個展。青木さんについては「行動力がすごい! 気配りの人でもある。作品のディスプレーなども教えてくれて、とても参考になる」と桑田さん。「イケヤンでのグループ展をきっかけに、仕事のオファーも増えた。これから挑戦したいことは、自分の工房を持つこと。また、火にかけられる鍋やグラタン皿のような耐熱の作品にも取り組み、作品の幅を広げたい。(同展では)今ある力を出し切った作品が並んでいるので、手に取って、触って、見ていただきたい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は11時~20時。火曜定休。作家在廊日は9日・10日13時~17時。3月11日まで。同13日からは第7弾「大江憲一展」を開催する。