ナディアパーク・国際デザインセンター(名古屋市中区栄3)4階のクリエーターズショップ「Loop(ループ)」(TEL 052-265-2106)で9月18日から、陶芸家グループ「IKEYAN★(イケヤン)」のリレー方式個展「イケヤン★エキシビジョンリレーvol.18 『長屋 有展』」が行われている。
ガラス細工をあしらった新作「GLASS DOTS(グラスドット)」シリーズ
長屋 有(ながや ゆう)さんは1986(昭和61)年生まれで、名古屋市出身の陶芸家。名古屋学芸大学デザイン学科を卒業後、多治見市陶磁器意匠研究所で陶芸を学ぶ。現在も多治見市で制作活動を行う。
「とにかく、ものづくりが好き。形がきれいなものを作りたい」と話す長屋さん。「大学卒業後の1年間は、興味があることをやろうと思いながら進路を考えていた。その時に陶芸家・青木良太さん(イケヤン★主宰者)の作品を見てかっこいいと思い、多治見で陶芸を始めた」
同展では、食器や花器、陶製雑貨など、26種類150点を展示・販売。ろくろでひいた白い花器(7,875円)は「形のきれいさをひたすら追求して作る行程が楽しい」という。目の粗い土で作った壁掛けタイプの花器(2,625円)は「普段から気軽に花を楽しめるような花器として、簡単に壁にかけることができ、本来は隠すような部分もかわいく見せるための工夫をした」
ほかにも、高台が木材でできた茶わん(3,675円)と湯のみ(3,150円)は「白い土の部分と木材との見た目のコントラストがきれいで、手に持ったりテーブルに置いたりするときの接地部分が柔らかいのも特徴」という。白と黒の土をブレンドした粘土を使った皿(3,150円~)は「和風をイメージして、アクセントに金彩を施した。土の色のグラデーションがきれい」
今回は特に、大学時代の同級生との共同制作が3シリーズ並ぶ。1つ目は、ガラス作家の竹内 都樹美(つきみ)さんと制作した「GLASS DOTS(グラスドット)」シリーズ。「ガラスのきれいな発色をお皿にもってきたい」と陶芸を始めたころから思っていた長屋さんは、1年前から2 人で実験をしながら試作を繰り返し、今回が初出品。2つ目は、東京で活動するイラストレーターのmiltata(ミルタタ)さんとの「草木のウツワ」シリーズ。両シリーズとも、器は長屋さんが制作し、ガラス細工やイラストによる彩色は「完全にお任せする」という。
アイスの形をした陶製のペーパーウェイトは、稲熊家具製作所の稲熊 祐典さんとの作品。「共同制作を行う時には、必要以上に干渉をしない。それは相手のことを信頼しているからで、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら制作活動をしている」
今後の制作活動について「枠を決めずにいろいろやってみたい。作品を見てくれた人が何をしている人か分からないけど、例えばミュージシャンなら音楽と陶芸、料理人なら料理と器のように、一緒に何かできたら面白い」と話す長屋さん。「いろんなことに関わり、つながりを広めていきたいので、作品を見て、声を掛けてもらえればうれしい」と呼び掛ける。
開催時間は11時~20時。火曜定休。作家在廊日は今月29日・30日13時~17時。30日まで。10月2日からは第19弾「牟田 陽日展」を開催する。