見る・遊ぶ 買う

丸善名古屋本店で「出張!名古屋シネマテーク通信」 7月の注目映画を紹介

おすすめ映画を紹介する名古屋シネマテーク永吉直之さん(右)

おすすめ映画を紹介する名古屋シネマテーク永吉直之さん(右)

  • 0

  •  

 栄の書店「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)で6月30日、「出張!名古屋シネマテーク通信vol.1」が開催された。

[広告]

 同イベントは、同店で定期的に行われている講座企画「丸善ゼミナール(マルゼミ)」の一つ。会社帰りのサラリーマンやOL、学生をターゲットに、来店者の導線となる 1階入口脇のスペースで主に夜7時スタートで開講。教養的なものからカルチャー全般まで硬軟を織り交ぜた内容で、事前にイベント情報を知らない人でも気軽に立ち寄りたくなるトークセッションを目指している。4月に第1回として開催した浅井登さんの「はじめての人工知能」を皮切りに、絶滅危惧種、短歌、ワインなど、さまざまな題材をテーマを展開。会場には関連書籍を展示し、書籍の拡販も併せて行っている。

 今回は今池の映画館名古屋シネマテーク(千種区今池1)スタッフの永吉直之さんを講師に、7月の同館おすすめラインナップを紹介しながら、映画の面白さを伝える月1回のゼミ。初回は1982年のオープンから今年で34年目を迎える同館の成り立ちと歴史を紹介。前身の映画上映グループ「シネアスト」時代の思い出話や、開館時に配布した「シネマテーク通信」第1号、来名監督の講演録など貴重な資料の制作秘話に、受講者は熱心に聞き入った。

 永吉さんは「第1号を見ると、オープン時のラインナップはハンガリーアニメーション特集。今もあまり変わりませんが、新作はなかなか上映できなかった。最初は毎日の営業ではなく、上映していない日もあった。当時、名古屋にはミニシアターが無く、上映からもれていく映画がたくさんあった。当館、名駅のシネマスコーレ、ゴールド・シルバー劇場ができて、支持してくれる人が少しずつ増えていった」と振り返る。

 7月のおすすめ映画は予告編映像などを交えながら3本を紹介。「FAKE」(公開中)は森達也監督が単独作品としては15年ぶりに制作した長編ドキュメンタリー。ゴーストライター疑惑で世間を騒がせた佐村河内守さんに密着し、夫妻の日常生活や彼の側から語る真相をカメラに収めた話題作。

 「ジョギング渡り鳥」(7月9日公開)は「私は猫ストーカー」「ゲゲゲの女房」などの鈴木卓爾監督最新作。不思議な円盤に乗り、神を探しに地球にやってきたモコモコ星人が、まったく異なる価値概念を持つ人類をカメラとマイクを使って観察する様子を描く摩訶不思議な異色作。

 洋画から紹介した「ヴィクトリア」(公開中)はベルリン国際映画祭銀熊賞ほかドイツ映画賞6冠を受賞。ベルリンのカフェで働く女性ピアニストに起こる一夜の出来事を全編ワンカット139分で収録したフィルムノワール。

 会場には森監督の著作などを陳列。多くの来店者が足を止め、著作やチラシを手に取り、講座の内容に耳を傾けた。同講座の第2回は7月28日に開講予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース