栄の愛知芸術文化センター（名古屋市東区東桜1）で、9月17日・19日に国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」で上演するプロデュースオペラ「魔笛」の練習が報道陣に公開された。

作品の見どころを話す勅使川原三郎さん

　「魔笛」はモーツァルトが作曲したオペラの代表作。トリエンナーレではダンサー、演出家として世界的に活躍する勅使川原三郎さんが演出、美術、照明、衣裳を担当。イタリアのガエタノ・デスピノーサさんを指揮者に、妻屋秀和さん、森谷真理さんら実力派が出演する。佐東利穂子さん、東京バレエ団によるダンスや名古屋フィルハーモニー交響楽団・愛知県芸術劇場合唱団の参加も注目が集まっている。

　勅使川原さんは愛知県芸術劇場合唱団のメンバーに、フォーメーションや舞台上で移動する際の歩き方などを指導。音楽に合わせてゆっくりと歩行するメンバーに、作品の世界観などを語り掛けた。

　勅使川原さんは「歌、演奏をメインに、身体の表現、装置や衣裳も合わせ、全体としてダイナミックに内容を表すことが大事だと考えている。演劇的な芝居によって表すのではなく、音楽に調和した身体の使い方でオペラの内容がより分かり、よりパワフルに感じられるように演出する。演技も含めて舞台装置、衣裳は日常的なものではなく、抽象化している。ヨーロッパの文化を翻訳するような形ではなく、現在の私たちがオペラに向かうことを大事にしたい」と話した。

　プロデュースオペラ「魔笛」は愛知県芸術劇場大ホールで上演。開演時間は15時。料金は3,000円～15,000円。問い合わせは「あいちトリエンナーレ実行委員会事務局」（TEL052-971-6111）ほか。