熱田神宮(名古屋市熱田区神宮1)で5月25日、映画「名も無い日」の成功祈願が行われ、日比遊一監督が会見を開いた。
熱田区大瀬子出身の写真家・映画監督の日比さんが、自身の家族にまつわる実話をベースに制作する同映画。次男の死をきっかけにニューヨークから25年ぶりに帰国した長男が、居酒屋を続ける父と三男、街の人々との触れ合いを通して、「生と死」を深く見つめていくストーリー。熱田区を中心としたオール名古屋ロケで撮影される。
日比監督は暖かな日差しの中、スタッフらと共に参拝。その後、熱田神宮会館でエグゼクティブプロデューサー・山口寛さん、名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上室長・田頭泰樹さんと会見を開いた。
日比監督は「アメリカに31年住んでいて、一昨年に高倉健さんのドキュメンタリー映画『健さん』を撮り、それがきっかけで久しぶりに日本に帰ってきた。映画の紹介で全国のいろいろな街を回る中で、日本の良さが分かり、地元愛もどんどん重なってきた。名古屋に帰った時に、友だちや仲間たちに次の作品はどういうものが撮りたいのか聞かれ、以前から温めてきた僕の私小説のような、熱田を舞台にした映画を撮りたいと話した」と企画の生まれた経緯を話す。
山口さんは「2年前に日比監督と出会い、熱田で映画を撮りたいという話を聞いて以来、地元の皆で応援してきた。いよいよ制作に入るということで感無量」と笑顔を見せる。
田頭さんは「この映画を通して名古屋の魅力が世界中に伝わり、多くの人に名古屋に来て頂けるようになってほしい。名古屋市民が映画を見て、名古屋の街の魅力に気づくきっかけにもなってほしい。名古屋市民の誇りに繋がっていくような作品になれば」と期待を寄せる。
参拝では「映画はエンターテインメントでたくさんの人が関わるもの。良い作品になりますように、より多くの人が見てくれますように」と祈願したという日比監督。「僕は熱田神宮から歩いて5分くらいのところに住んでいて、小さいころはいつもここで遊んでいた。普段見ている街から、こんなドラマが生まれるんだ、と思ってもらえるような作品にしたい」と意気込む。
同映画は5月末からクランクインし、6月下旬まで撮影する。公開は2019年秋以降を予定している。