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愛知県美術館がリニューアルオープン 「アイチアートクロニクル」開幕

愛知県美術館で開幕した「アイチアートクロニクル1919-2019」。アバンギャルドなアートや反芸術などさまざまな取り組みを年代に分けて紹介

愛知県美術館で開幕した「アイチアートクロニクル1919-2019」。アバンギャルドなアートや反芸術などさまざまな取り組みを年代に分けて紹介

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 愛知県美術館(名古屋市東区東桜1)が4月2日、全館リニューアルオープンし、全館コレクション企画「アイチアートクロニクル1919-2019」が開幕した。

路上パフォーマンスなどのアート活動も豊富な資料で解説

 愛知芸術文化センターは開館25年を迎えた2017年から、大規模な改修工事を実施。愛知県美術館は天井脱落対策、床・照明の設備更新、トイレの洋式化などを行った。8階ギャラリーは昨年11月に一般利用が始まり、今回の10階美術館のリニューアルオープンで全館の再開となった。

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 「アイチアートクロニクル1919-2019」は、1919(大正8)年を起点に2019年の現在に至るまでの100年の間、愛知のアートシーンをさまざまな形で揺り動かしてきたムーブメントや事件を、同美術館ほか、名古屋市美術館、豊田市美術館、県陶磁資料美術館などが所蔵する地域のコレクションによって紹介する。

 愛知県美術館学芸員の副田一穂さんは「愛知のアートを年代順に追いながら、100年間の歩みをたどる展覧会。1993年に地域の美術の歴史を包括的・回顧的に検証する『20世紀 愛知の美術』展を開いたが、その後の26年の蓄積もあり、第2のオープンともいえるこのタイミングでのコレクション展となった」と話す。

 1919年に東京の洋画グループ「草土社」に触発されて愛知に暮らす10~20代の若いアーティストたちが展覧会を開いた「愛美社」の作品から始まり、20~30年代の洋画壇やアバンギャルドの活発な活動、40~50年代混乱と復興の時代の美術、60~70年代の反芸術やオフ・ミュージアムの傾向、80~90年代の現代美術を扱うギャラリーの増加、2000~10年代の官主導の公募展や芸術祭の隆盛に至るまでの100年間を3部9章に分け、約200点の作品で愛知の美術の特異性を明らかにする。

 副田さんは「前回に比べ、アバンギャルドな活動をしてきたアーティストたちに多くスポットを当てている。さまざまな資料も増え、絵画や彫刻の形を取らない今まで取り上げるのが難しかったアート活動を紹介できるようになった。通常の展覧会なら1時間程度で見られるが、今回は展覧会慣れしたアートファンでも2時間たっぷり使うくらいのボリュームになっている」と話す。

 出展アーティストの1人、関智生さんは「僕は奈良出身で、1980年代に名古屋芸術大学で学んだ。98年に愛知県の新進芸術家への助成で海外留学に行き、現在の作風にたどり着くことができた。自分の作品が愛知のアートの歴史にどう位置付けられるかを考えたことはなかったので、今回の展覧会に選ばれたことに驚いたが、とても光栄に思う」と笑顔を見せる。

 同館企画業務課長の拝戸雅彦さんは「愛知県美術館のコレクションの力、地域で頑張ってきたアーティストの力を見てもらえる展覧会。コレクション展なので、ボリュームがあるのに入場料も安くなっている。リニューアルを終えた美術館に、足を運んでいただけたら」と呼び掛ける。

 関連イベントとして、館内だけでは紹介できない野外にある壁画や彫刻、パフォーマンス跡地を巡るウオーキング企画(4月6日・13日・21日)や、学芸員らによる記念座談会(5月3日)、ギャラリートーク(5月3日・25日・6月15日)などが開催される。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで、入館は閉館時刻の30分前まで)。観覧料は、一般=500円、高大生=300円、中学生以下無料。6月23日まで。ウオーキング企画は要申し込み、先着順。

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