「まちじゅうがキャンパス」「誰でも先生、誰でも生徒」を活動の軸に掲げるNPO法人「大ナゴヤ大学」(事務所所在地=名古屋市中区大須3)の10年を記念した6つの「授業」が9月14日、各所で開催される。
さまざまなテーマを「授業」とするイベントを実施している同団体。昨年度の授業実施数は53コマ。「学生」登録数は5142人(2019年9月11日現在)で、30~40代が中心。この10年で、魅力発掘・発信など地域に関するイベントの企画・運営、スピンアウト企画で「働く」をテーマにしたイベントや情報発信などの活動、ウェブマガジンの運営など、さまざまな人がつながり、もの・ことが生まれた。
同団体3代目学長の山田卓哉さんは「歴代の学長や授業を企画してくれるコーディネーターの活躍から『まちを活かし、まちを楽しむ』ためのヒントになるような場を作ってきたと感じている。自分自身、3代目の学長としてこれまでの活動を継承しつつ、これからの大ナゴヤ大学をより一層盛り上げていくことができれば」と意気込む。
10周年企画のリーダーでボランティアスタッフも務める石坂喜和さんは、普段は会社員として働いている。有志で集まった企画メンバーと、勤務後や休日に時間を合わせ周年企画のアイデアを出し合った。過去から現在、現在から未来の「大ナゴヤ圏」をイメージして、今のトレンドや面白いことをしている人や、場所をピックアップし、これを基に内容を固めた。
当日は、授業を開催する前半と、トークイベントを開催する後半に分けた(どちらかの参加でも可能)。前半は、ウェブマガジン編集チームと円頓寺の街にある看板の文字などでしり取りをしながら「まちの見方」を共有する授業、アイリッシュパブのオーナーを先生にし、アイリッシュウイスキー・コーヒーの魅力を知り味わう授業、福祉を知る授業など。
後半は、フリーランス BizDevのさのかずやさん、地元のビジネスを盛り上げるためのイベント企画などを手掛ける山本有里さん、和歌山でゲストハウスなどの運営を手掛けるゴロさんの3人を先生に迎える。「ナゴヤ」に対して参加者がそれぞれ「これから」を考える場作りを狙う。会場には街を一望できるビル高層階にあるホールを用意。石坂さんは「名古屋の景色を見て、将来の『ナゴヤ』の未来を考え思いをはせてほしい、という願いを込め会場に選んだ」と話す。
「10年という節目なので、授業に参加してくださった方々に『ミライ』をイメージしてもらえるような時間を作りたいと思った。これからを考えるために『今、ここ』にある様々な事象を取り上げることで立体的にこのまちの姿を見つめ、これからのミライをつくる仲間たちと私たちのミライを考える時間になれば」(山田さん)。 「大ナゴヤ大学は年齢や出身地など一切関係なく、多様な方々が参加いる。自らの視野を広げてそれぞれの場に持ち帰って行動を起こす人も多い。行動を起こすことが全てではないが、自身に何か変化が起こる場なのかなと思う。ぜひ気軽に参加していただければ」(石坂さん)と参加を呼びかける。
授業への参加申し込みはホームページで受け付ける。参加費はそれぞれ異なる。