名古屋のことわざ研究家の安藤邦男さんが11月、人間社(名古屋市千種区今池1)から書籍「九十翁の教職一代記」「九十翁のことわざ人生」を2冊同時発売した。
安藤さんは三重県出身。英語教師として愛知県立名古屋西、千種、昭和、旭丘などの高校に勤務し、定年退職後も市邨学園短大の教員となり英語を教え続けた。「ことわざ研究家」として「英語コトワザ教訓事典」(中日出版)「テーマ別英語ことわざ辞典」(東京堂出版)「やさしい英語のことわざ」(くもん出版)「ことわざから探る英米人の知恵と考え方」(開拓社)など多くのことわざ関連本を出版している。
「九十翁の教職一代記」は90歳を迎えた安藤さんの自分史。戦後まもなく名古屋大学に学び、高校教師、短大教員、サークル講師やボランティアなど、昭和・平成時代を教育に注いだ人生を振り返る。
「九十翁のことわざ人生」は、ライフワークとなった「ことわざ研究」のエピソード、自らの人生や社会を語るエッセー集。家族、教育、現代社会、著述活動など様々なことを語る本編のほか、童話、小説の創作作品も収録している。
それぞれの本について安藤さんは「父の最期を見送ったとき、もっとその生涯を知っていたらという後悔の念が生まれ、せめてわが子には自分の人生を伝えたいという思いになった。それが自分史を書いた動機。書き終わって、わが子に残すだけではなく、広く同世代や若い世代の人たちにも読んでほしいと思った。もう1冊のエッセー集では、書かれたエピソードやエッセーの多くが、ことわざの知恵や教えの具体例になっているところを、読んでいただけたら」と話す。
安藤さんは「自分史を書くことで過去を再体験し、今まで気付かなかった自分を新しく発見することができた。今回の出版は、僕自身のこれからの生き方に役立つと思う。読者の皆さんにも、少しでも役に立つならば、うれしい限り」と話す。
仕様は共にB6判。「九十翁の教職一代記」は216ページ、「九十翁のことわざ人生」は224ページ。価格は共に1,540円。