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「発達障がい」テーマの東海テレビ制作CM、JAA広告賞で経産大臣賞受賞

日本民間放送連盟賞とACCのトロフィーを手にする桑山知之さん

日本民間放送連盟賞とACCのトロフィーを手にする桑山知之さん

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 東海テレビ放送(名古屋市東区東桜1)の報道局が発達障がいをテーマに制作したCM「見えない障害と生きる。」が1月16日、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクールで経済産業大臣賞に選ばれた。

CM「見えない障害と生きる。」のワンシーン

 このCM企画は同社が毎年、日本民間放送連盟賞への出品を一つの目的に、公共キャンペーンとして制作するもの。これまでに、震災、戦争、LGBTといった社会的テーマをドキュメントタッチで描いた。2014(平成26)年からドキュメントタッチに変更したといい、2018(平成30)年から同企画のプロデューサーを務める報道局の桑山知之さんは「当局のスタンスを示すものになるので、せっかく作るならいいCMをという考えでスタイルを一新した」と話す。同社のプロデューサーと撮影クルーのほか、外部のCMディレクターなどを導入しているという。

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 「見えない障害と生きる。」は2019年の日本民間放送連盟賞のCM部門で最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSでゴールドも受賞している。さまざまな賞を受賞していることについて、「このCMシリーズの強みはドキュメントであること。うそはない。リアリティーが評価されたと感じる」(桑山さん)という。

 構想段階で100くらい考えたというアイデアの中から、「多様性、違い」に焦点を定めた。見た目に分からない発達障がいはテレビマンとしては描きづらく、扱うテレビ局も少ないという。「CMならできるかもと思った。長い尺の中で分かったようなナレーションを入れるのも違うと思ったし、短いCMだからこそ、要素をそぎ落として作ることができる」(同)。

 発達障がいの診断を受けている6人(家族を含む)を取り上げた内容で、インタビューや日常を切り取った。最後はラッパーのGOMESSさんが今回の企画のために書き下ろした曲で締めくくった。フルバージョンで5分。「手を差し伸べるということではなく、互いを認め合い、共に生きていくということだと思う」(桑山さん)と訴える。

 同局のユーチューブチャンネルで、これまではオフだったコメント欄を同作では公開した。「非難も受け入れようと思った。どんな反応があるか知りたかった」という。「テレビとして『伝える』ことはできるが、『伝わっている』のかどうかが難しい。ユーチューブのコメントや周りの人からの声を聞くと、伝わったんだと実感が持てた」と笑顔を見せる。

 過去作品も含めユーチューブチャンネルで見ることができる。