愛知の伝統野菜で細長い見た目が特徴の「守口大根」を使った漬物を販売する「大和屋守口漬総本家」(名古屋市中区栄3)が6月11日、「生産者応援 守口漬セット」の販売を始めた。
守口漬は守口大根を酒かす・みりんかすで漬ける尾張地方の奈良漬。同社はメイン商品の守口漬のほか、魚の切り身やチーズのかす漬けなどを製造・販売する。手土産使いが多いという守口漬商品の販売数は直営店(本店と鈴波本店の売店を除く)や百貨店内の店舗の休業、駅売店利用の減少、ゴールデンウイークを挟んだ不要不急の外出自粛などの影響で、大幅にダウンした。
仕入れ・企画開発部の伊藤慎一さんは「守口大根は守口漬だけのために作られる伝統野菜で、毎年契約農家と相談し作付け量を決めて作ってもらっている。伝統野菜を守るためには毎年安定した作付け量が必要。新型コロナの第2波や来年の状況など先が読めない今、このままでは作付け量が激減しそう」「農家の方の高齢化も進んでいる。守口大根作りをやめるきっかけにつながらなければよいが」と危機を感じている。
「生産者応援 守口漬セット」は195グラムの守口漬が2袋のセット。通常商品と中身に変わりがないため、金額は通常商品と変えないが、送料(北海道、沖縄を除く)は同社が負担する。現在の注文数は50件程度で、中には北海道、山梨、広島からの注文もあるという。
「これをきっかけに久しぶりに食べようかなと思ってくださる方、初めて食べる方もいると思う。昔からある地場の伝統的な発酵食品で、食べてもらって良さを知ってほしい」と伊藤さん。「切り方によって食感が変わる。細かく切って卵かけご飯にまぜたりマヨネーズと合わせてタルタルソースにしたり、アレンジができることや、残った酒かすは野菜などを漬け活用できることも伝えたい」とも。
価格は2,160円(送料込み、北海道・沖縄は別途220円)。売り上げの一部を農家への支援に充てる。
注文は「生産者応援専用」の申し込みフォームで受け付ける。店頭販売はしない。注文期間は6月11日~30日17時の予定で、今月16日から随時発送。