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愛知県芸術劇場で勅使川原三郎版「羅生門」 芥川龍之介の小説を新作ダンスに

愛知県芸術劇場で勅使川原三郎版「羅生門」。(左から)勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん、アレクサンドル・リアブコさん(C)Naoshi Hatori

愛知県芸術劇場で勅使川原三郎版「羅生門」。(左から)勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん、アレクサンドル・リアブコさん(C)Naoshi Hatori

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 ダンス公演「勅使川原三郎版『羅生門』」が8月11日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)大ホールで上演される。公演に先立ち、愛知芸術文化センターで7月15日、出演の勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん、アレクサンドル・リアブコさんが会見を開いた。

ハンブルク・バレエ団のアレクサンドル・リアブコさんが出演

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 原作は芥川龍之介の同名小説。同劇場芸術監督の勅使川原さんが、演出・振付・照明・美術を担当し、ダンサーとして出演する。アーティスティック・コラボレーターを務める佐東さん、ドイツのハンブルク・バレエ団で20年以上のキャリアを誇るリアブコさんが共演。音楽は笙(しょう)奏者の宮田まゆみさんが参加(愛知公演は録音)。平安時代から継承された東洋の伝統的な楽器・笙を奏で、他にもさまざまな楽器が加わるという。

 平安時代の京都、飢饉(ききん)や地震などで荒廃した羅生門を舞台に、善と悪の思いが交差する物語を描く同作。勅使川原さんは「強力なダンサー3人のキャラクターを生かし、公演を成功させたい。芥川龍之介の原作には神話性がある。今の時代の人が読み返して生き生きとした何かをつかみ取るのが神話。荒廃した平安時代を描いた原作には、非日常の中に今の私たちが共有できる人間の本質がある。混乱、絶望の中にしか見られないことをダンスにしたい」と話す。

 リアブコさんは勅使川原さんとは初共演。「パリなどでの活躍は知っていたので、オファーはサプライズであり、うれしかった。コロナ禍の厳しい状況だが、いつもと違う新しいプロセスで取り組み、乗り越えていきたい。今までにない経験を楽しみたい」と意気込む。勅使川原さんは「理解力が高く、作品に正しく近づいていくダンサー」とオファーの理由を明かし、信頼を寄せる。

 佐東さんは「知っている原作でも、勅使川原さんが創作すると思いも寄らない作品になる。今回もそうなるはず。作品がどこに向かうのか、私自身の体と技で向き合いたい」と話す。

 下人、老婆、鬼が登場する予定だが、3人がどのように演じるかは当日まで分からないという。勅使川原さんは「小説をダンスに翻訳するのではなく、人間として感じたことをダンスにしたい。私自身この作品にとても期待している」と語った。

 19時開演。料金は、S席=7,000円、A席=5,000円、B席=3000円(25歳以下は半額)。

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