大須商店街が9月24 日、SDGsの取り組みを行うことを宣言した。
8つの商店街筋を中心に1000店を超える多ジャンル・多国籍の店が連なる「ごった煮のまち」と称される同商店街は、地元住民の生活の場でもあり、新型コロナが訪れる前には外国人も多く訪れる観光地として人気を集めた。
今回は、大須で創業しリユース事業を手掛ける「コメ兵」(名古屋市中区大須3)が同商店街のPR事務局を担当しSDGsの取り組みをバックアップする。PR事務局の吉田浩之さんは「大須の魅力はにぎやかであり続けることが大切。これを支える活動が当社としてできる地域への貢献と考えた」と話す。
宣言同日から万松寺通りや観音通りなどに同取り組みのビッグバナーを掲出。「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「つくる責任つかう責任」など全17項目を掲げる。同商店街連盟青年部の中野公嗣さんは「世界的な流れも社会としても当たり前になりつつあるSDGsの取り組みを、商店街としても本格的に推進していく」と話す。
同青年部の井上誠さんは「コメ兵さんと協力して、商店街が取り組む内容の方向性を示していきたい。食べ歩きの空容器のごみ問題など、大須で問題になっていることにも取り組んでいきたい」、吉田さんは「ごみ箱を設置するのではない、ポイ捨てしないような仕組みを遊びに来ている人を巻き込むような取り組みを考えるなどできれば」と話す。
PR事務局として、遊びに来る人や働く人の国籍もさまざまで、グローバルな視点を商店街としても大切にしていることや、歴史ある場所で、地元に根付く祭りもあり、文化を残すことも意識する。
事務局では宣言に向けて420の同商店街連盟加盟店に事前アンケートを行ったところ、6割超の266店から回答があった。「SDGsについて知っているか」の問いには「知っている」が98件、「聞いたことはある」が84件で、約7割が認知をしていることがわかったほか、「SDGsに興味があるか」どうかの問いの結果からは、半数近くの店舗が興味はある一方、着手できていない状況も分かった。まずは加盟店に向け、SDGsを理解する勉強会を行う予定。「『新しく何かをやらなければ』ではなく、普段の商売の延長線上でできることを考え、知らせていきたい」と井上さん。中野さんは「商売する側にとってもポジティブな取り組みであることの理解を深めていければ」と話す。