金山の「日本特殊陶業市民会館(=名古屋市民会館)」(名古屋市中区金山1)が10月1日、開館50周年を迎えた。
周年企画の一環として集めたエピソードを朗読するイベントの様子
同館は1972(昭和47)年開館当初からコンサートや演劇などの公演会場に使われてきたほか、成人式や卒業式、入社式などの行事の会場として使われている。
10月1日の夜は、50周年マークが同館壁面に映し出された。出入り口前の大階段では、周年企画の一環として集めた同館にまつわる思い出や、これからの未来の夢や希望などエピソードの優秀作品をプロの朗読家が朗読するイベントが行われたほか、例年クリスマス前に点灯し同館を彩るイルミネーションを、開館日に合わせて前倒しで点灯した。点灯期間は来年2月下旬までの予定。
エピソード企画について、館長の木村寛さんは「記録ではなく、思い出としての記憶に触れることができた企画。この企画がなければ記憶(思い出)に触れることはできなかったと思う」と話す。集まったエピソードについて、「それぞれに個性がありよかった。特に感慨深かったのは、チケットを忘れたエピソードと、最優秀賞を受賞した、亡くなられたお母さまとのエピソードで、ぐっとくるものがあった」とも。
受賞エピソードは、同館1階の共有部分にパネルで掲示するほか、受賞以外のエピソードも含め50周年の特設サイトに掲載する。
木村さんは「コロナ禍では文化芸術は不要不急なのではという議論があったが、この50周年の企画を通してそうではないことを実感した。開館から半世紀が経過し、コロナ禍も含め開館当時とはさまざまなことが様変わりしてきているが、市民会館が文化芸術の振興拠点であることは昔も今も変わっていない。そのことだけは変わらず市民会館ができることを模索しこれからも歩み続けていく」と話す。
50周年企画では、館内に展示・保管している美術品を紹介する「美術品バーチャルツアー」、来年開催の「NHKのど自慢」(予選会・本選)などのイベント、建設前から完成・開館・現在までの50年の歴史を写真と動画で紹介するヒストリー公開なども予定している。