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長島町通の一部歩道を拡幅 街の人々が描く「みちにわ」を形にする社会実験

設置工事に参加した「錦二丁目エリアマネジメント」や「錦二丁目まちづくり協議会」、名古屋市立大学芸術工学研究科大野暁彦研究室の学生たち

設置工事に参加した「錦二丁目エリアマネジメント」や「錦二丁目まちづくり協議会」、名古屋市立大学芸術工学研究科大野暁彦研究室の学生たち

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 歩行者の安全や暮らしやすさの向上、地域活力の創出を目指す長島町通りリニューアル社会実験「みちにわ2024」が10月21日、始まった。

車道を、緩やかなカーブを連ね車両の速度抑制を狙う「スラローム道路」に変更

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 「錦二丁目まちづくり協議会」と地域のまちづくり会社「錦二丁目エリアマネジメント」は、名古屋市に対して地域からの要望をまとめた「錦二丁目地区・長島町通りのリニューアル整備の要望」を提出。リニューアル整備に向け、同会と同社、名古屋市緑政土木局路政部道路利活用課および環境局環境企画課が実施主体者となり実験を行う。空間デザインは名古屋市立大学芸術工学研究科大野暁彦研究室が担当。

 実験区間は、長島町通のうち伝馬町交差点から袋町通交差点、本重町交差点まで。区間内の道路を、緩やかに蛇行する「スラローム道路」に変更するため路側帯を直線から曲線状に引き直し、ガードレールを設置。歩道空間を拡幅し、車両の速度抑制効果を検証する。

 オフィス街として発展する錦二丁目には、古くから事業を営む住民が多く暮らし、近年は飲食店の開業や高層マンション建設などの開発が進み、来訪者や転入者が増えているという。「錦二丁目エリアマネジメント」の名畑恵社長は「地域に関わる人の多様化が進む一方で、課題も浮き彫りになった。特に一方通行に対する逆走、歩行者の飛び出しといった交通安全、防犯の課題は大きい。地域の皆さんが主体的により良い『街の未来像』を形にするため意見を出し合い、対話を重ねてきた」と振り返る。

 伝馬町交差点から袋町交差点までの1区間には、拡幅した歩道空間には杉材のウッドデッキや吸水性のあるヤシの繊維を使ったベンチなどの休憩施設を設置。人工芝を敷き、地域で育った綿花など多様な植物のプランター約300株を並べて、緑の空間を演出する。名畑社長は「『みちにわ』は、錦二丁目の『道』を『庭』に見立てるという意味。歩道にちょっと休憩できるような空間を設け、にぎわいや交流を生み出す」と話す。

 実施期間中の祝日を除く月曜・水曜11時~14時、金曜18時~20時には、キッチンカーが出店。期間中に合計5店が日替わりで出店し、フードやドリンクを販売する。

 26日には伝馬町交差点~袋町交差点区間の車両通行を止め、マーケットイベント「みちにわマルシェ」を開催。物販、飲食、ワークショップのブースが出店する。開催時間は11時~17時。

 名畑社長は「本整備に向けて課題を洗い出すことも、社会実験の大きな役割。より理想的な形に近づけるよう、実験を通して多くの気付きを得ていきたい」と意気込む。

 11月10日まで。撤去工事は同15日終了予定。

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