落書きなど古本の「痕跡」から持ち主を想像「痕跡本フェア」

「痕跡本フェア『記憶の記録』」の様子。右=主催者の古沢さん。

「痕跡本フェア『記憶の記録』」の様子。右=主催者の古沢さん。

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 ギャラリー「アートフェチ」(名古屋市中区松原1、TEL052-324-1303)2階で、「痕跡本フェア『記憶の記録』」が開催されている。フェアでは、落書きなど持ち主の「痕跡」のある本を古本店で探し、「痕跡」から想像した主催者の古沢さんの解析文とともに紹介する。

 きっかけは古沢さんが以前、ラブレターを道端で偶然拾ったことに始まる。「持ち主は困っていないか」「相手に届いてから手を離れたのか」「なぜここに落としたのか」など、相手やその周りのことを想像した。もともと好きで絵を描いていた古沢さんだが、人間が作り出すものには限界を感じていた時期でもあり、「なぜここにゴミが落ちているのか」など自然な日常を観察することに目がいきはじめたという。古本店の店長を務めた経験と、自身も本を集めることが好きだったことから、「痕跡」のある古本を使い、持ち主を解析することに面白みを覚えた。

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 ディズニーランドのハンドガイドには複数のレストランとエレクトリカルパレードのページのみに付せんがはられ、「デート用に下調べをした人か、食いしん坊キャラ」と想像。また、戦隊モノの子ども向けの本に書かれたクレヨンでの落書きは、ヒーローの体内からはじまり、拳から突き上げる形で力強く描かれている。「この線を描いた子どもの気持ちがそのまま表現されている。本人を想像すると共に戦っていたのだろう。ヒーローの中でも『ピンク』に関しては線が途中で終わっており、興味の薄さが感じられるため持ち主はきっと男の子」。そのほか名前、趣味などが書き込まれた自己分析本もあり、分析のためのさまざまな問いかけの答えから「彼女はきっと素直ないい子でロマンチック」と読み取った。

 解析文付きの本は9点。そのほかにも複数「痕跡」のある本を置く。「言葉や書かれた線などから、持ち主を想像して楽しむことができる。だがその裏には、自分の書いた情報、もしくは秘密などが世の中に漏れている怖さもある」とも。「単に面白いという一方、中には見てしまったという後ろめたさが残る『痕跡』もある」(同)という。

 営業は土曜・日曜の13時~19時。開催は3月23日まで(2月23・24日は休み)。

アートフェチ

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