「有松・鳴海絞」のクールビズ・メンズシャツ、ナゴヤファッション協会が発表

有松・鳴海絞」メンズシャツ。左=「嵐絞り」、右=「平縫い絞り」

有松・鳴海絞」メンズシャツ。左=「嵐絞り」、右=「平縫い絞り」

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 ナゴヤファッション協会(名古屋市中区栄3)は2月29日、「有松・鳴海絞」を使った本格的なメンズアパレル商品の開発に挑戦し、クールビズ・メンズシャツを開発したと発表し、同日からナディアパーク・デザインセンター7階の「7th Cafe(セブンスカフェ)」で展示を行なっている。

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 有松は、今から約400年前に尾張藩の御触書によって作られた町並みで、現在も当時の面影を残した、江戸時代の建物が面として存在する日本で唯一の町。そこで長年はぐくまれた「有松・鳴海絞」は、数ある絞り工芸の中でもっとも技法の種類が多いと言われ、伝統工芸品としてその技術は高められてきた。

 しかし現在では、価値観の変化や、着物を着用する人口が減ったことなどから、「有松・鳴海絞」の需要が減り、後継者の育成も困難となり、生産高が全盛期(昭和40年代)の7割まで落ち込んでいるという。また、貴重な町並みも、ライフスタイルの変化や、増大する維持経費の負担に耐えきれず、最近、江戸時代の建物を含む4軒が取り壊された。

 そうした危惧の中、新たな風を吹き込もうと動き出した企画がクールビズ・メンズシャツの開発。「名古屋市職員が着用する」ことが前提でデザインされたシャツは、現行の「売れ筋の型」を基本に、ビジネスシーンで着用可能な30種類の絞りのデザインが発表された。商品開発の段階では40代男性を念頭に置いてデザインされたが、幅広い年齢層に受け入れられるシンプルでさわやかなデザインがそろう。

 同シリーズのデザインを担当した、瀧定名古屋(錦2)の中塩礼子さんは「シンプルなデザインが実は一番難しい。絞りを使い、ビジネスシーンで着用できる完成度の高いシャツを作るために幾多の困難を乗り越えチャレンジしてきた」とし、「これって本当に有松絞りなの?と思ってしまうデザインでも良いと思っている。『メードインジャパン』としてインターナショナルな現場でも引けを取らないところまで高めていきたい。絞りの上質な兵児帯や浴衣を知った上での突き詰めたデザイン、色、柄をぜひ見てもらいたい。うまくエコアピールをできる一品に仕上がっている」と話す。

 展示は3月5日まで。5月からは松坂屋名古屋店で一般発売を予定している。

ナゴヤファッション協会地域ホームページ「有松」

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