プレスリリース

知名度ではなく、価値で選ばれる温泉地へ愛知・三谷温泉の老舗旅館「平野屋」が芝浦工業大学と挑む、新たな旅館価値の創造

リリース発行企業:株式会社平野屋

情報提供:

約1年にわたり、“次の自分”のための充電期間としての「サバティカル体験」を具現化
愛知県蒲郡市・三谷温泉の老舗旅館「平野屋」は、芝浦工業大学デザイン工学部・蘆澤雄亮教授ゼミの学生とともに、約2年にわたり、平野屋が提案する「サバティカル体験」を具体的な滞在価値として設計する共同プロジェクトに取り組んできました。この度、その一環としてアメニティグッズなどを選択するための空間(アメニティ空間)および客室冊子のリ・デザインを行い、その運用を開始しました。


リ・デザインしたアメニティ空間


リ・デザインした客室冊子


平野屋が提案する「サバティカル」とは、大学教授などが研究や教育の節目に得る長期休暇「サバティカル・リーブ(Sabbatical Leave)」に着想を得た考え方です。ただ休むための長期休暇ではなく、次の課題解決や新たな創造に向かうために、いったん立ち止まり、自らを見つめ直し、思考を深め、視野を整え、再び前へ進むための充電期間を意味します。平野屋ではこの考え方を旅館滞在に重ね、旅を通じて日常を深く見つめ、人生を振り返り、自分自身のこれからを静かに考える時間として提案してきました。

今回の共同プロジェクトでは、この思想を理念にとどめず、館内での行動や発見、滞在中の感情の流れを含めた体験として可視化することを試みています。パンフレット、館内マップ、いきもの図鑑、客室冊子などのデザインを通じて、平野屋で過ごす時間そのものの意味を形にしてきました。

芝浦工業大学の公開記事では、「平野屋の沁み方」パンフレット、「平野屋の沁み方マップ(横断幕)」、「平野屋のいきもの図鑑」、客室冊子や瞑想ルームの提案が成果として紹介されており、2025年10月には「平野屋の沁み方マップ(横断幕)」と「平野屋のいきもの図鑑」が完成し、平野屋に設置されました。旅館に求められる価値が、機能性や利便性だけでは語れなくなっている中で、平野屋は「泊まる場所」としての役割に加え、自分と向き合い、感覚を取り戻し、次の一歩のために整える場所としての滞在価値を磨いています。

本プロジェクトは、その思想を芝浦工業大学との協働によって空間・言葉・導線へと落とし込み、地域資源や旅館文化の新たな伝え方を模索する取り組みでもあります。今後は平野屋の体験価値の創造だけにとどまらず三谷温泉、そして蒲郡という地域の魅力を伝える新たな価値創出に取り組んでまいります。
背景
本プロジェクトのきっかけは、2024年4月に始動した、蒲郡市、株式会社イノベーションパートナーズ、芝浦工業大学による産学官連携の地域創生プロジェクトです。初期メンバーの学生は卒業研究の一環として参加し、約1年間、蒲郡市内に滞在しながら、地域との関係構築やヒアリングを行い、体験価値の創出につながるコンテンツ制作に取り組みました。「サバティカル体験」というコンセプトは、この活動の中で言語化されました。その後、2025年4月より、平野屋と芝浦工業大学の共同研究プロジェクトへと進展し、現在もなお取り組みが続いています。
平野屋 代表取締役社長 平野寛幸のコメント
芝浦工業大学 蘆澤雄亮教授ゼミの学生の皆さまとご一緒したこの約2年は、平野屋が大切にしてきた「サバティカル体験」を、空間や言葉、導線として一つひとつ形にしていく時間となりました。

旅館の価値は、設備や機能だけでは測れないと考えています。どのような時間が流れ、何を感じ、どのように自分と向き合えるか。そうした目に見えにくい価値を、学生の皆さまが真摯に受け止め、対話を重ねながら具体的な体験へと可視化してくださったことに、深く感謝しています。

平野屋が考えるサバティカルとは、単なる休息ではなく、次に進むために立ち止まる時間です。旅を通じて日常を深く見つめ、人生を振り返り、これからの自分を考える。そのような時間を、これからも平野屋らしい滞在として育ててまいります。

芝浦工業大学 蘆澤雄亮教授のコメント
2000年代初頭よりアメリカを中心にデザイン思考(Design Thinking)という言葉が世界中を席巻し、これに伴いデザインの役割も徐々に変化しています。これまでは形のある具体的な人工物設計へと落とし込むことが中心的な役割でしたが、昨今では「価値を見出し、それを見える化すること」が使命となってきています。

こうした中で平野屋さんと一緒に「価値を見出すこと」に挑戦できているのは、とてもありがたい経験だと心より感謝しています。また、他にも計画中の取り組みも多くあり、今後、平野屋が地域にとり、お客様にとり、もっともっと素敵な場所へと進化することを楽しみにしています。

本取り組みで生まれた主な成果
・旅館のコンセプトを伝え、館内回遊を促すパンフレット「平野屋の沁み方」
・平野屋で楽しめる体験を可視化した「平野屋の沁み方マップ(横断幕)」
・館内の置物を再編集した「平野屋のいきもの図鑑」
・客室冊子の提案
・アメニティ空間の設計

「平野屋の沁み方マップ」製作の様子

「平野屋いきもの図鑑」設置の様子


「アメニティ空間」設営の様子

「客室冊子」製作の様子

平野屋について
平野屋は、愛知県蒲郡市・三谷温泉にある老舗旅館です。
“サバティカルな体験”をコンセプトに、サウナ、ライブラリー、時手紙、手挽きコーヒー、コワーキングなどを通じて、忙しい現代人が少し立ち止まり、自分を見つめ直すための滞在を提案しています。

参考情報
芝浦工業大学デザイン工学部
「愛知県蒲郡市の温泉旅館『平野屋』に大きなマップが設置されました」

芝浦工業大学
【学生インタビュー】現場で学ぶ「地方創生×デザイン」――愛知・蒲郡での実践型プロジェクト|芝浦工業大学

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