「黒」を基調にしたパーティードレスやブラックフォーマルを提案するショップ「casablack(カサブラック)」(名古屋市中区栄5、TEL 052-251-7577)が栄5丁目にオープンして2カ月が過ぎた。
店舗面積は約10坪。店内には、「黒」を基調に「上品さを常に意識した」(同店)パーティードレスや礼服のほか、カジュアルドレスなどさまざまなオリジナルドレスが並ぶ。ターゲット層は20~40代前後の女性。
アパレル系の高校を卒業後、短大でグラフィックデザインを学び、短大卒業後は結婚式場「出雲殿」でコスチュームアドバイザーとして冠婚葬祭用の衣装のレンタル業に携わっていたという山本友美さんが経営する。これまで学んできたアパレルの知識とグラフィックや色の知識をもとに、出雲殿在職中から「趣味程度に」オリジナルのドレスなどを作ってきた。昨年7月会社を設立し、今年3月に念願のオリジナルショップをオープン。本格的にブランドとして始動した。
「趣味で作っていたころはカラフルなドレスも作っていた」という山本さん。しかし、これまでタブーとされてきた結婚式での「黒」の使用が少しずつ広がって来ていること、「すてきだと思える礼服のデザインが少ない」ことなどがあり、「ブラックオンリーのオリジナルブランドを立ち上げることにした」という。
「『白』と『黒』は究極の色。白はそれだけで透明感のある色だが、無彩色で不透明な『黒』で透明感あふれる着こなしを提案したい」と山本さん。立ち上げ当初は、「黒一色でブランドを作るのはそれほど難しいことだと思っていなかった。しかし黒と一言で言っても、さまざまな色や表情があることを知り、実はとても難しい色だと実感した」と振り返る。
ブラックのウエディングドレスに込める意味は、「何にも染まらない、ぶれない気持ち」。「今は女性が広く活躍する時代。『黒』という色を通してしなやかで自立した大人の女性をプロデュースしていくことができれば」とし、パンツスタイルのウエディング用衣装なども提案している。「20~30代の女性にドレスを提案していきながら、ブラックフォーマルの必要性なども訴求していくことができれば」とも。
山本さんは「礼服は、常識や慣例などが大きなハードルとなり、あまりデザインの冒険はできない」としながらも、「それでも見た目がきれいで美しければ、少しのタブーはクリアしていけるのでは」と話す。「そのためには基本がしっかりないといけない。基本があって崩しているのと、基本がないまま新しいことを提案していくのとではまるで違う。そのためにもこれからもひたすら勉強を続けていきたい」と意欲をみせる。
主な価格帯は、礼服=6万5,000円~9万円、ドレス=3万8,000円~18万円。「ショップにあるものはサンプル。ここから好きなデザインを選んでもらい、金額内でサイズ直しをする」という。フルオーダーやレンタルも可能。7月24・25日には名古屋国際会議場で開催されるブライダルイベント「ゼクシイブライダルフェスタ2010」でブラックドレス提案のファッションショーを行う予定。
営業時間は11時~19時。水曜、祝日定休。予約制。