名古屋市は10月21日~23日、栄~大須地区を循環する無料ミニバス「ちょい乗りバス」を運行する。同企画は、栄と大須エリアを中心に「人が優先の歩いて楽しい回遊性とにぎわいのある都心づくり」をテーマにしたイベント「みちまちウィーク2011」の一環で展開するもの。
ちょい乗りバスは、「都心の回遊性を高めるうえでも有効な交通施策」との名古屋市の考えの下、これまで、栄・大須地区、名古屋駅前地区などで実験的に運行された。今回で3回目の社会実験となる。
「過去2回では、名古屋市が使っていたバスをそのまま使ったため、無料のルートバスが走っていることさえ知らない方が多かった。そうした反省を踏まえ周知に力を入れるべく、今回はオリジナルのラッピングバスにし、バスをより目立たせて運行することにした」と話すのは、同企画の社会実験事業パートナー、都市研究所スぺーシアの石田富男さん。「本格運行するためには、一定の運賃のほかに企業協賛も必要。今回は運賃が無料だが、企業に理解していただき協賛も実現した。また地域の方たちとの連携にも力をいれた」とも。
運行初日となる当日は栄広場で壮行式が行われ、期間中走行する6台の「ちょい乗りバス」が集結した。6台のうち5台には、名古屋市内の写真を学ぶ専門学校生による栄・大須をテーマにした写真がギャラリー展示のように飾るほか、観光を学ぶ専門学校生1~2人が乗車し、バス停案内に加えてバス停周辺の飲食店や商業施設などを案内する。
もう1台は、栄4~5丁目の商店主やショップ店員らが地域の活性化を目的に集まる「栄4~5丁目 散歩廻(さんぽかい)」がプロデュース。社内には、名古屋で活動を続けるアーティストら19組のアート作品を飾るほか、名古屋で活躍するDJやバンドら12組の音楽を車内で流す。散歩廻の代表を務める武山匡哉さんは「これだけのアーティストが短期間で協力する事を快諾してくれた。これまでにない新しいバスができたので、ぜひ多くの人に体験してもらいたい」と利用を呼び掛ける。
バス停は、パルコ東館前、松坂屋本館前、ラシック前、栄スカイル前、丸善前、科学館東、美術館前、大須ういろ前、大須観音東、上前津駅西、大須301前、ランの館前の12カ所。