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名古屋テレビ塔でインドとのフェアトレード・トークイベント-商品販売も

(左から)ニマイ・ニタイの廣中さんとエシカル・ペネロープの原田さん

(左から)ニマイ・ニタイの廣中さんとエシカル・ペネロープの原田さん

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 名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)1階のエシカルショップ「Ethical Penelope(エシカル・ペネロープ)」(TEL 052-972-7350)で5月17日、フェアトレード・トーク・ナイト「nimai-nitaiデザイナー・廣中桃子。美しくたくましい~インドの大地から~」が開催された。

ニマイ・ニタイのワンピース

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 講演を行った廣中桃子さんが代表を務める「nimai-nitai(ニマイ・ニタイ)」は、インドのビハール州ブッダガヤの貧困解決を目指す合同会社で、現地のNGOとパートナーを組み、村民とのフェアトレードによる商品開発を行う。「nimai(ニマイ)」と「nitai(ニタイ)」は最も思いやりのあるインドの神様の兄弟で、インドと日本とが兄弟のような関係で歩んでいけるようにという思いが社名に込められている。

 今回は、活動の中心地のスジャータ村・ソーイングセンターに集まる村の女性が製品を作る様子を写真や動画を交えて紹介。現地に長期滞在して活動する廣中さんは「ビハール州はインドの中で最も貧しい地域の一つ。乾燥地帯で農業ができないなど、仕事がないことで貧困のサイクルから抜け出すことができず、アルコールに依存する人や物乞いをする孤児も多い。この村で仕事をつくることが任務」だと話す。

 「初めはヒンドゥー語も英語も片言で、身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとっていた。日本から支援しに来てくれたと思われることも多く、ビジネスが難しい状態だった。現地で調達した良質の布を使っても、縫製に失敗してB級品を作るような苦悩の日々もあったが、2年目になって村の女性の仕事に対する責任感や意識が変わった。刺しゅうのデザインができる女性も現れた」と笑顔で話す。「作業を割り振って仕事ができる人を増やしたり、ショールームを開設して現地のクラフトを紹介したり、男性への仕事の提供も課題。プロの品質でデザインにこだわり、それぞれの得意分野を生かす商品作りを続けていきたい」と意気込む。

 参加者からは「ポケットの縫い付けなど、現地の人の悪戦苦闘ぶりがわかった。勉強になった」という声や「かわいい商品にもストーリーがあり、それを知ることができてよかった」という声も。覚王山で雑貨店を営む参加者からは「ニマイ・ニタイの商品をお店に置きたい」という声掛けもあった。

 同社製品は今後も同店で購入できる。ほとんどが1点もので、サイズは大中小の3サイズ。型はトップス、チュニック、ワンピースを展開する。価格は8,000円前後。生地の染料にはマンゴーの葉やアカネ、マリーゴールドといった自然のものを使うなど、その時々で生地が違う。「きれいなデザイン、きれいな色のものを作りたい。今は女性ものばかりだが、今後は男性ものの白のリネンシャツも作ってみたい」

 ほかにも、インドの伝統的な「ブロックプリント」のショール(5,400円)やテレビ塔の刺しゅうを施したハンカチ(1,080円)、エコバッグやポケットティッシュ入れなどを販売する。

 エシカル・ペネロープ社長の原田さんは「(ニマイ・ニタイの商品を店頭に置くことは)即決だった。不安がなかった」と振り返る。「次の課題として、インドらしい伝統的な生地を恐れずにもっと使ってほしい。これからの商品展開を期待している」とも。

 最後に廣中さんは「商品が安く提供されるのは、製造工程のどこかで搾取されている人がいる。物を買うときには、その背景や作っている人のことを考えてほしい」と呼び掛ける。

 営業時間は10時~19時。

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