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愛知芸術文化センターで「あいちトリエンナーレ2016」作品制作を公開

作品制作を公開するヴァルサン・クールマ・コッレリさん

作品制作を公開するヴァルサン・クールマ・コッレリさん

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 栄の愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で7月21日、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」の作品制作現場が報道陣に公開された。

作品制作の手法を披露する大巻伸嗣さん

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 この日、制作の様子が紹介されたアーティストは大巻伸嗣さん、田島秀彦さん、ヴァルサン・クールマ・コッレリさんの3人。

 大巻さんは岐阜県出身。物質と空間をテーマにさまざまな形で作品を展開。展示空間を非日常な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックなインスタレーション作品やパブリックアートを発表している。

 大巻さんは同センターと栄会場の「損保ジャパン日本興亜名古屋ビル」、豊橋地区の「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」の3会場で作品を展示する。同センターでは10階の愛知県美術館内の展示室で、一辺が15メートル以上ある大きな空間を花模様で埋め尽くす「Echoes-Infinity」を出展する。同作は2002年から国内外で展開しているシリーズ作品で、今回は今までで最大規模になるという。

 この日は花を描くために準備した大量の微細な鉱石の粉末による顔料、型などを解説。いくつかの色を組み合わせて制作する手法を披露した。大巻さんは「床一面に顔料で絵を描く。人間の身体の知覚をずらして、極彩色の日本画のような浮遊感のある空間を作り出す。この作品シリーズの制作は14年間にわたり世界各地でやってきた。その際、日本画の顔料に各地の絵の具を少しずつ混ぜてきた。今回はそれを全て使って描きたい。世界中で行ってきたこのシリーズの記憶を、愛知で新しい記憶と融合する」と話す。

 田島さんは岐阜県を拠点に活動。産業用の装飾タイルの絵柄など、世間に浸透するデザイン意匠や光のイメージを組み合わせて平面や立体作品を制作。日常に隣接しながら無国籍で装飾的な平面・空間を生み出すアーティスト。

 田島さんは同センター11階「展望回廊」で新作「六つの余地と交換可能な風景」を出展する。窓ガラスに虹をイメージした5色のフィルムを張ることで光により空間を分け、電球や絵、タイルなどとともに不思議な回廊を作り出すという。「通路を作品に作り替えることを意識して構想した。昼は窓も壁も虹色の影が連なるように、夜は建物の外からもランタンが並んで見えるようにしたい。回廊内の架空の風景と実際の外の風景を楽しんでほしい」と話す。

 コッレリさんはインド出身。彫刻、絵画、インスタレーション、建築など多彩な手法で、自然から吸い上げたイメージを作品として構築する。

 6月15日に息子で建築家のヴィシュヌさんを伴い来日したコッレリさんは、瀬戸市新世紀工芸館で滞在制作。7月1日より名古屋に場所を移し、同センターの10階と12階で制作を続けている。瀬戸の粘土や豊田の竹といった愛知の天然素材や再生パルプなどを使い、大地のエネルギーを造形化する作品を出展するという。

 この日は10階に出展する作品の制作風景を披露。竹の骨組みに丁寧に再生パルプを塗りながら、記者らの質問に笑顔で答えた。「今回の作品は『地球のげっぷ』。人は地球にありとあらゆるものを捨て、食べさせている。制作している時に聞こえる地球からのささやきを集約して、私の手から作品としてアウトプットしている。トリエンナーレのような場はとても重要で、アートが私たちに何をしてくれるのかを次世代の子たちに知ってもらえる機会になる。いろいろな人たちとコミュニケーションしたい」と呼び掛けた。

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