落語家の笑福亭鶴瓶さんが6月5日、中部地区唯一の寄席「大須演芸場」(名古屋市中区大須2、TEL 052-221-1782)で「笑福亭鶴瓶落語会」を行うことを27日に発表した。同企画は昨年の5月に収録した(放送日=6月13日、20日)、メ~テレが制作するバラエティー番組「げりらっパ」に笑福亭鶴瓶さんがゲスト出演したことから実現したもの。
番組内で鶴瓶さんは、番組を進行する「さまぁ~ず」の2人とともに名古屋駅から自転車に乗って名古屋の街を探索。その際に、予定にはなかった「大須演芸場」に立ち寄った。同演芸場は、鶴瓶さんがまだ無名のころに師匠の笑福亭松鶴さんについてよく来ていた縁のある場所で、当日は10数年ぶりに席亭の足立秀夫さんと再会。その場で、赤字の続く同演芸場を盛り上げるために「大須演芸場出演」を約束したことから、約1年越しに実現する運びとなった。
鶴瓶さんが大須演芸場に出演するのは10数年ぶりで、笑福亭松鶴さんの追悼公演以来だという。鶴瓶さんはギャラなしで出演し、当日の入場料は「せめて冷暖房でも直してください」(鶴瓶さん)と全額を演芸場に贈るという。
演芸場には1階、2階、1階補助席合わせて約250席がある。当日は立見客も入れ、14時~と19時~の2回公演を行う。14時からは鶴瓶さんが2席の落語と、鶴瓶さんの弟子らが落語を披露。19時からは同じく鶴瓶さんが2席の落語を披露し、「さまぁ~ず」の2人も舞台に立つという。
企画担当者は「鶴瓶さんは年間約100席をこなしており、落語に対する思い入れはとても深い。当日も大須演芸場で真剣に落語をする鶴瓶師匠を見ることができるのでは。夜の部は、落語を初めて見るであろう若い「さまぁ~ず」ファンの来場も予想される。これを機会に落語の面白さが若い層にも広がれば」と話す。
鶴瓶さん自身もこれを機により多くの人に落語の良さが伝わることを願っているといい、「この企画がうまくいって、大須演芸場が良ければこういう企画を続けて行きたい」と話しているという。
入場料は、指定(1階、2階、1階補助席)=3,000円、立見(当日販売のみ)=1,500円。一般発売は4月15日から。「げりらっパ」番組内での先行発売も予定している。
大須演芸場は1962年に建てられ、3年後の65年から演芸場としてスタートした。過去には何度も閉鎖の危機に直面しながら、その都度、支援者などから「救いの手」が差し伸べられ今に至っていることから「奇跡の寄席」とも言われている。席亭は1973年から現在まで足立秀夫さんがつとめている。