名古屋で活動する女性編集者3人が4月14日、ライフスタイル誌「棲(すみか)」の創刊準備号を発行した。
発行のきっかけは、昨年12月、建築や暮らしに関心の高い女性編集者3人が集まって食事会をした際に「名古屋にない暮らし雑誌を作ろうと意気投合したことから」と、メンバーで編集者・ライターの伊藤幸子さん。
そのほかのメンバーは、文化施設「文化のみち橦木館」館長で編集者・ライターの兼松はるみさん、本の収集から執筆、編集を手がける「活字の浅野屋」主宰の浅野未紗子さん。伊藤さんは「はんらんする情報や既成概念に惑わされず、本当に自分が望む暮らし、納得した豊かな生き方を楽しみたいという考えを、共有できる仲間とつながりたいという気持ちで媒体を立ち上げた」と話す。
「名古屋初で、名古屋発の等身大の暮らしを応援する提案誌」(同)という同誌の掲載内容は、自分らしく魅力的に暮らす人の紹介を行いながら、地域の暮らしにかかわる情報、人、料理、音楽、文化などを紹介していく。今回の創刊準備号では、「古い家、新しい暮らし」を特集。愛知県豊田市の築140年の古民家を改修して暮らす家族を紹介し、改修可能なマンションや趣のある長屋などの不動産情報を紹介している。
また、「名古屋という地域性に注目している」と伊藤さん。「豊かな自然と農・海産物に、恵まれ、世界に誇る確かな職人さんがいて、ゆったりとした時間が流れる街。そんな街だからこそ、マイペースに暮らしを楽しむことができる。独立独歩の精神、自分らしい生き方を応援したい」とも。
体裁はB5版、カラー24ページ。発行部数は1,000部。価格は400円。リブロ名古屋店(中区栄3)、正文館本店(東区)、シマウマ書房(千種区)などの書店、モノコト(中区大須2)、月のののうさ(西区)、DO LOING一誠堂(半田市)などのギャラリーやショップのほか、カフェ、レストラン、大学などで扱う。遠方者は編集部にメールで注文できる。
創刊号は今年の秋に発行予定。今後、春夏号、秋冬号の年2回の定期発行を予定する。
今後は、冊子だけではなく、ブログやメールマガジンなどを通じて情報交換できる場を設けるほか、見学会、勉強会などを開催し、交流できる場を作っていくことを考えているという。