栄で「名古屋の鉄道風景」写真展-伊勢湾台風襲来時の鉄道写真も

展示されている鉄道や市電の切符や回数券、定期券など

展示されている鉄道や市電の切符や回数券、定期券など

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 NPO法人名古屋レールアーカイブス(NRA)は現在、サカエチカ森の地下街にあるギャラリー・チカシン(名古屋市中区錦3)で写真展「名古屋の鉄道風景」を開催している。

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 同企画は今年で2回目。鉄道の写真を通して、当時の情景を紹介するのが特徴で、写真と電車を趣味とする30~80代の仲間が持ち寄った資料を展示。昨年開催された初回は、「戦後の昭和」をテーマに収蔵写真を展示し約1,000人が来場した。

 今回は、今年で伊勢湾台風襲来から50年目にあたることから伊勢湾台風の光景を映し出す鉄道の写真を会場の一角で展示。水につかってしまった線路や、水の上に浮かぶようにたたずむプラットホーム、海の上を走っているような電車の写真など、伊勢湾台風が起こしたその時代が写し出されている。

 併せて、名古屋市内を走っていた路面電車を取り上げた写真も展示。栄や柳橋など都心の風景や、路面電車を待つ「よそ行き」でおめかしした親子などの写真を飾る。「路面電車は本当に良かった」と振り返るのは同法人理事長の津田さん。「名古屋市の地下鉄は1キロに1駅くらいの間隔だが、市電は300~500メートルに1カ所駅を設けてあり本数も多く、便利だった。ステップも低く乗りやすく安定もしていて乗り心地もいい」と路面電車の魅力を話す。「ヨーロッパの都心ほとんど路面電車が走っている。韓国でも香港でも路面電車を利用している。遅れているのは日本だけでは。年をとろうと、病気になろうと使いやすいやさしい乗りもの」と路面電車の復活を願っている。

 そのほか、昔の名鉄瀬戸線の写真も展示。もともと瀬戸市から運河であった堀川に瀬戸物を運ぶ目的で作られた瀬戸線。当時は名古屋城の堀の中を電車が通っていたという。栄町~大曽根間を残し、1976(昭和51)年に廃止。瀬戸線の駅は、現在の地下鉄となった個所も多い。鉄道や市電の切符や回数券、定期券も展示。「30円、40円…と区間で色分けしてあるのが名古屋の特徴」(津田さん)。

 「この時代を知っている人に『懐かしい』と思ってもらうことが第一」と津田さん。会場には、昔を懐かしんで来場する年配者が多く見られる。会場では津田さんをはじめとする展示担当者が、気さくに当時の様子について解説してくれる。

 「どんどん年を重ねるので亡くなってしまう方も。亡くなってしまうとその方が大切に保管していた貴重な資料となるものが捨てられる恐れも。そういったものを残し、また残すだけでなく、その時代を知ってもらうことが大切」とも。

 開催時間は10時~19時(最終日は16時まで)。無料。9月23日まで。

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