中区錦2丁目の路面駐車場「パーク24」(名古屋市中区錦2)で1月13日、「緑化路面駐車場」の実験が始まった。同プロジェクトを推進するのは、名古屋工業大学の伊藤孝紀研究室とパーク24、マツダレンタカー、ヤハギ緑化、岡崎グリーン、セイシンエココーポレーションの5社。
実験は、パーク24に併設されたマツダレンタカーのレンタルスペースを利用して行う。レンタカーを配置する3台分の駐車スペースの床面に車が乗っても問題のない技術で敷かれた芝生を配置するほか、駐車場に面する事務所壁面には土を入れたポケットを設置し、植物を植えている。
同プロジェクトの発足について、伊藤准教授は「都市部における空き地は、路面駐車場として活用することが一般的だが、ヒートアイランド現象や歩行者からの景観面では課題が残っている」とし、「今回の事業では、次世代社会へ向けたエコ・モデルとして発信していきたい」と意気込む。また、「都市開発の段階で都心部から姿を消した動植物が帰ってくる場であったり、人々のコミュニティが生まれたりする場として、災害時の避難場所としてなど、都心部の空き地が有効利用されていくことになれば」と期待を込める。
約5年間の実験期間を検討している同プロジェクト。期間中、より多くの場所で同様の企画が展開できることを想定しているというが、現在はコスト面や植物の管理面などのさまざまな壁が立ちはだかる。「アスファルトを緑化している箇所は体感温度が2~3度ほど違うため、市民の生活のためにも良い。街を豊かにするプロジェクトとして、名古屋市などからの協力体制も得ていくことができれば」とも。