大須から世界最優秀ナポリピッツァ職人-帰国後もすぐに窯の前へ

「ナポリピッツァ料理人世界選手権」で優勝した牧島昭成さん

「ナポリピッツァ料理人世界選手権」で優勝した牧島昭成さん

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 先月行われたイタリア・ナポリの職人組合が主催する「ナポリピッツァ料理人世界選手権」で大須のイタリアンレストラン「Cesari(チェザリ)」(名古屋市中区大須3)で働く牧島昭成さんが日本人で初めて優勝した。帰国してから1カ月、同店では世界一のナポリピッツァを食べに訪れる来店客で連日にぎわっている。

 牧島さんの実家は喫茶店。子どものころから家の手伝いをし、高校卒業後はフランス料理、カフェなど料理の世界を歩んで来た。縁あってチェザリに入社後、店の看板メニューを検討する中で「イタリアで一番カジュアルな食べ物であるピッツァ。特にナポリピッツァは大衆的で大須という街に合うのでは」と修行に赴くことになり、「ごく自然の流れでピッツァ職人になった」という。

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 すでに日本のピッツァの名店で勉強し技術はあったが、本場仕込みのピッツァを習得するためナポリの名門ピッツェリアへ。師匠の「ピッツァは心で焼き上げるもの。感情が出るから穏やかな気持ちでお客さんの幸せを祈って焼くこと」という言葉に感銘を受けた牧島さん。ピッツァを焼くうえで重要な本場の「気質」と「心」を学んだと当時を振り返る。「疲れていたらヘタったピザが本当に焼ける。そんな焼き手の感情・性格・体調までもが出てしまうピッツァの魅力にはまっていった」とも。牧島さんは今でも毎年「自分の親のような存在」だという師匠の店に足を運んでいる。

 今年で9回目となる同選手権。今回はイタリア、フランス、スペインなど各国のチャンピオンが参加する大会となり注目が集まる中、昨年3位だった牧島さんがマルゲリータを焼きメーン部門の「ピッツァナポレターナS.T.G.部門」で優勝。参加約150人の頂点に立った。伝統あるナポリピッツァの選手権で日本人が初めて優勝し、「大騒ぎになった。日本で言うなら、江戸前すしの職人選手権でイタリア人が優勝するようなものだから」と現地の様子を語る。

 「『やったー』という喜びはもちろん大きかったが、すぐに優勝者としての重いプレッシャーを感じた」と牧島さん。同時に「世界のナポリピッツァ大使」にも任命され、「ナポリ人が認めてくれた恩返しとして何ができるか」と自問自答した結果、「まずは日本からナポリピッツァを広めていかなくては」と心に決めた。その思いは帰国後も休む間もなく店に直行し、ランチには自ら窯の前に立ちピッツァを焼く姿に表れた。

 「行列ができる店」として地元で知られる同店。優勝後、客足が伸びるのを見込みテーブルを増設し席数を増やした。牧島さんが1日に焼くピッツァの枚数は約1,000枚。一度に8枚のピッツァを一気に焼く技術があればこそ、こなせる枚数だという。

 「大衆食としてのナポリピッツァを日本にも根付かせたい」と牧島さん。「日本では1枚2,000円くらいで提供している店もあるが、イタリアでは1枚500円くらいで気軽に食べられる。実はこれがとても重要」と力を込める。「1日1,000枚焼けば人件費もかからず、ピッツァ代も安くできるはず。そのためにもっと自分が技術や知識を周りに提供していきたい」と意欲をみせ、今日も牧島さんは笑顔でピッツァを焼く。主なピッツァの価格は1枚=350円~(直径約25センチ)。

 営業時間(ソロ ピッツァ チェザリ)は11時~15時、18時~22時30分(土曜・日曜・祝日は11時~22時30分の通し営業)。

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