大須・大光院で「映画『のぼうの城』大ヒット祈願」-犬童・樋口ダブル監督が来名

来名した犬童一心監督(左から2人目)、樋口真嗣監督(同3人目)

来名した犬童一心監督(左から2人目)、樋口真嗣監督(同3人目)

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 大須の大光院(名古屋市中区大須2)で9月10日、「映画『のぼうの城』大ヒット祈願」が行われ、ダブル監督を務める犬童一心さん、樋口真嗣さんが会見を開いた。

「映画『のぼうの城』大ヒット祈願」をする犬童・樋口両監督

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 「のぼうの城」は130万部のベストセラーとなった和田竜さんの同名時代小説を映画化したもの。戦国時代、天下統一を目前にした豊臣秀吉が送りこんだ石田三成率いる2万人の大軍に、わずか500人で対抗した実在の武将、成田長親の戦いを描く時代劇。犬童さん、樋口さんの異例のダブル監督で、8年の時間をかけて完成した。

 領地の農民たちから「のぼう様(でくのぼう)」と呼ばれながら不思議な人柄で人心を動かし、絶対不利な戦いに挑む長親役を「陰陽師II」以来、8年ぶりの映画主演となる狂言師、野村萬斎さんが演じる。他に佐藤浩市さん、上地雄輔さん、榮倉奈々さん、成宮寛貴さんら豪華キャストが集結。濃密な人間ドラマや大掛かりな水攻めシーンなども見どころだという。11月2日からミッドランドスクエアシネマほかで全国公開される。

 大須・大光院はもともと清善寺と呼ばれ、映画に登場する明嶺理察和尚により清洲に創建された。その後、大須に場所を移し、現在の大光院に改めた。成田長親は後に尾張に移り住み、菩提(ぼだい)寺にしたという縁の深い場所だ。

 カナダ「モントリオール世界映画祭」から帰国したばかりの両監督は、映画ゆかりの同寺の本堂に座り、真剣な表情でヒットを祈願。その後、かぶとをかぶり笑顔で記者会見に臨んだ。

 互いにファンだったという2人は、ダブル監督で映画を製作できたことを喜んでいる相思相愛の関係。撮影現場では役割を分担するのではなく、全てのシーンを2人で一緒に撮ったという。犬童監督は「漫才の掛け合いのようなもの。1人がアイデアを出すと、もう1人がさらにアイデアを返す。どんどん増えて積み重なり面白くなっていった」と話し、樋口監督も「手分けして効率的にやっていないので、こだわりとアイデアが2人分入っている。映画にとってこんなにいいことはないという環境だった」と振り返る。

 主人公、成田長親については、「自分に正直で、それが人を引っ張っていく。理不尽なことに心の底からの言葉を発したことで皆がついていった。演じるのは萬斎さん以外、考えられなかった。萬斎さんはかっこいいが、世の中と一歩ずれた所に立っている人」と犬童監督。樋口監督は「人間なら本能的に持っているはずの私利私欲がない人。今の時代にはこういう人間がヒーローになるのでは。萬斎さんが演じることで長親に血肉が通った」と話す。

 会場には「名古屋おもてなし武将隊」の豊臣秀吉も登場。両監督から映画の中部地区宣伝大使に任命された。秀吉は「自分は今までたくさんの作品に主演しているが、今回はあえて長親に主役を譲った。素晴らしい出来栄えの映画。しっかり宣伝したい」と意気込み、両監督とともに勝どきを上げて映画の成功を願った。

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