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6代目中村勘九郎さんが大須で襲名披露のお練り-御園座興行PRも

大須商店街でお練りを行った中村勘九郎さん(中央)

大須商店街でお練りを行った中村勘九郎さん(中央)

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 大須商店街で9月27日、「中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露」のお練りが行われ、集まった約7000人の観衆が「新・中村勘九郎」の晴れ姿に声援を送った。勘九郎さんは、10月2日から御園座(名古屋市中区栄1)で開幕する歌舞伎興行「第四十八回吉例顔見世」に出演する。10月26日まで。

大須の街を練り歩く中村勘九郎さん

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 勘九郎さんは18代目中村勘三郎(五代目中村勘九郎)さんの長男で、1987(昭和62)年に2代目中村勘太郎を名乗り初舞台。今年2月に父・勘三郎さんが46年間名乗った勘九郎の名跡を受け継いだ。

 大須でのお練りは、18代目勘三郎さんの襲名以来、7年ぶり。勘九郎さんと弟の中村七之助さんが万松寺通の「今井総本家」前に登場すると、詰め掛けた観衆から大きな歓声が上がった。2人は人力車に乗り、美しい着物で着飾った名妓(めいぎ)連の舞妓(まいこ)らや中村屋一門と共に大須の街をゆっくりと練り歩いた。万松寺通を出発後、新天地通から東仁王門通、仁王門通へと進み、大須観音に至る道のりは、7年前と同じルート。通りの両脇を埋めた観衆は、勘九郎さん、七之助さんが近づくと声援と拍手を送った。「中村屋」の大きな掛け声が何度もこだまし、2人は紙吹雪が舞う中、笑顔で手を振り、声援に答えた。

 大須観音に到着した2人は、拝殿で襲名と公演成功の祈願。大須商店街からの花束を受け取り、集まった観衆にあいさつをした。勘九郎さんは「東京、大阪に続き、10月に御園座で、父が46年間名乗った勘九郎を襲名させていただくことになった。7年前の父の襲名と同じルートをたどってお練りをやらせていただき、皆さんの前で話ができるのが、うれしい。尾張名古屋は中村屋に縁が深い土地。御園座は祖父の17代目勘三郎も父もお世話になった場所。少しでも3代のご恩を返すことができれば。父は病気が見つかり、出演できないことを本当に残念がっている。安心させるためにも、一生懸命務めたい」と公演への意気込みを語った。

 七之助さんは「兄のためにこんなに集まっていただき、盛大なお練りとなり、本当にうれしい。僕たちは舞台でしか皆さまへの感謝の気持ちを返せないので、公演を楽しんでもらいたい。昼夜の公演はもちろんのこと、2回、3回と来ていただけたら」と来場を呼び掛けた。

 勘九郎さんは「吉例顔見世」昼の部で、伊勢の遊郭で実際に起きた事件を題材にした作品「伊勢音頭恋寝刃」に出演。福岡貢役を演じる。夜の部では義太夫狂言の三大傑作の一つと呼ばれる「義経千本桜」に出演。佐藤忠信役を演じる。襲名披露の口上も行われる。ほかに尾上菊五郎さん、片岡仁左衛門さんらが出演し、襲名披露公演に華を添える。

 公演の詳細は「御園座」ホームページで確認できる。

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