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丸善の芸術書コーナーで名古屋在住ライター・大竹敏之さんのフェア

丸善栄店で開催されている大竹敏之さんフェア

丸善栄店で開催されている大竹敏之さんフェア

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 丸善名古屋栄店(名古屋市中区栄3 丸栄7階)の芸術書コーナーで現在、名古屋在住のライター・大竹敏之さんのフェアが行われている。著作「コンクリート魂 浅野祥雲大全」(青月社)が大きな仏像のパネルとともに紹介されている。

実物大コンクリート仏像パネルとともにポーズをとる大竹敏之さん

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 大竹さんは愛知県常滑市出身。珍スポットを巡る「東海珍名所九十九ヶ所巡り」や、名古屋の飲食文化を紹介する「名古屋の喫茶店」「名古屋の居酒屋」などを出版。東海・名古屋の魅力を伝える「名古屋ネタライター」として活動している。

 同書は昭和初期から40年代にかけて東海地方各地に数多くのコンクリート像を残した造形家・浅野祥雲さんの作品を解説した一冊。現在判明している全作品758体をオールカラーで収録し、時代背景や造形技術、保存状況などを体系的にまとめている。作品に出合い、20年以上にわたり紹介や研究、修復作業などに取り組んできた大竹さんが、決定版として昨年9月に出版した。

 大竹さんは「浅野さんの作品は美術に興味がある人よりもB級スポットやサブカルチャーに関心が高い人に注目されてきた。笑えるもの、面白いものとして見られることが大半だが、それは一面的な見方ではないか、それだけではないのでは、と問い掛けてみたくなった」と執筆の動機を語る。

 今回の出版は、実現までかなり苦労したと振り返る。「全作品をカラーで載せることにこだわっていたので、たくさんの出版社に企画書を送っては断られる日々だった。ところが企画書を送っていない青月社から声が掛かり、思い描いていた形での出版が実現した。僕の本はサブカルチャーやグルメのコーナーでは何度も紹介してもらえたが、芸術書のスペースで取り上げてもらうのは珍しいこと。とてもうれしい」

 同店芸術書担当の若山育代さんは「発売時は新しい芸術書の一つとして何気なく並べていたが、大竹さん本人が来店して話を聞く機会があった。地元の作家を応援したいことと、大竹さんの人柄が魅力的だったこともあり、今月からフェアを開催することを決めた。仏像のパネルは日進市の五色園にある彫刻作品のもので、大竹さんがイベントなどで使用しているものを貸していただいた。実物大のパネルなので、ぜひ足を運んでいただけたら」と話す。「この本を多くの人に知ってもらい、栄店のベストセラーにするのが目標」とも。

 仕様はB5変型判、208ページ。価格は2,160円。フェアは大竹さんの既刊本や関連書籍など、テーマに合わせて展示替えをしながら3月ごろまで開催する予定。

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