「名古屋おもてなし武将隊」が11月7日、名古屋城(名古屋市中区本丸1)二の丸広場で結成6周年を記念するイベント「名古屋おもてなし武将隊 六周年祭」を行った。
名古屋の観光PR活動を目的に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら戦国武将6人と、陣笠(じんがさ)隊4人で2009年に結成した同隊。名古屋城内で「おもてなし」と呼ばれる観光案内や写真撮影、演武を行うほか、イベント、メディアに出演して名古屋の魅力を伝えている。武将、陣笠隊とも卒業などによるメンバーの入れ替えを経ながら、10人体制で精力的に活動を続けてきた。
秋祭り「名古屋城秋の陣」でにぎわいを見せる名古屋城。二の丸広場に武将隊が登場すると来場者から大きな拍手が起こった。信長は「皆の者、こんにちはじゃ!武将隊が6周年を迎えることができたのは、多くの民がわれわれを支え、共に歩んでくれた結果だと思うておる。わしらの思い、感謝の気持ちを演武という形で皆々に届けたい。存分に受け取ってくれ。いざ、出陣!」と感謝のあいさつ。10人は初披露となる新作演武「名城の夢」を披露した。
演舞を終えた陣笠隊の4人はそれぞれ「6周年を10人全員で迎えられたことを幸せに思っています」(なつ)、「雨の予報だったが、太陽も出てきた中でこの日を迎えられてうれしく思います」(章右衛門)、「祭りでございます、わっしょい。ありがとうございました」(一之助)、「我ら武将隊は100年続きます。あと94回あります」(踊舞)と喜びの言葉を述べた。
武将たちは、「雨予報が何ゆえ晴れたと思う?皆が今日を待ち望んでいたゆえじゃ。誠に感謝いたす」(前田慶次)、「武将隊の歴史は皆と共にある。今、名古屋城も工事中。これからも歴史を作って参ろうぞ」(加藤清正)、「何も申すことはないと思っておったが、言わせてくれ。皆々、誠に大儀であった」(前田利家)、「6年間の魂がここにあって、『皆を笑かしてちょ』と言ってくるんじゃ。これからも一緒に笑っていこう」(秀吉)、「6年とは短いようで長いのう。いろいろなことがあったが、わしらはすべて覚えておる。お主たち、来てくれてありがとさんじゃった」(家康)と観客に呼び掛けた。
観覧者からの拍手と「おめでとう」の声に涙を見せた信長。「別れと出会いを繰り返し、6年を歩んで参った。名古屋おもてなし武将隊は名古屋の代表として100年続くような文化を紡いでいく。お主たちも年を取るであろうが、子ども、孫、その下がどんどん紡いでいけばいいんじゃ。今はこの10人が必死で前に進む。これからもよろしく」と深々と頭を下げた。最後に武将隊が観客全員をハイタッチで送り出し、イベントは幕を閉じた。
結成時から在籍している家康は、集まったメディアに「どんなささいなことでも100年続けば当たり前の文化になる。まだまだ6周年。当たり前になっていく武将隊の姿を見届けてもらいたい」と意気込んだ。信長は「今日はたくさんの民が集まってくれたが、もっと来てほしい。ナゴヤドームでは歌手の嵐殿が何万人も呼んでおると聞く。われわれは名古屋を世界一の観光都市にしたいと心の底から思うておる。まずは名古屋に来て、名古屋城に行ったことがない者はいないというくらいにしたい」と目標を語った。