愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)2階「愛知県芸術劇場」大ホールの改修工事が完了し、4月25日から一般利用を再開した。
1992年の開館から26年が経過し、各フロアで大規模な改修工事を行っている同センター。今回の主な改修内容は、天井脱落対策、床・照明設備、自動火災報知設備、空調設備の更新、トイレの洋式化など。昨年11月に4階「コンサートホール」8階「ギャラリー」、今月に10階「美術館」が再開、最後に大ホール、地下2階「リハーサル室」の改修が完了した。
大ホールは23日・24日にリニューアルオープン説明会を開催。多くのメディアや利用を予定している団体が集まり、改修が完了した施設を見学した。
愛知県芸術劇場の丹羽康雄館長は「大ホールは昨年4月から約1年間の期間をかけて改修工事を行った。エントランス、客席ロビーは赤に色調を統一して明るい雰囲気になった。舞台は照明・音響設備を一新し、天井の耐震化、消防設備などを更新した。改修期間中は迷惑をお掛けしたが、今後も皆さんの一層の期待に応えられるよう、職員一丸となって取り組みたい」とあいさつ。
続いて設計を担当した「A&T建築研究所」増田裕康さんがホワイエのコンセプトなどについて紹介。「小ホールの紫色は多様性・躍動感、コンサートホールの青色は静けさを表現した。大型のドラマやオペラ、バレエなどを行う大ホールは、『華麗・期待感』をコンセプトにして赤色を選んだ。劇場にふさわしい華やかな空間になった」と話した。
客席は、1階中央席を千鳥配置に変更、1階席と2階席の行き来ができる通路を新設したほか、手すりの増設などを行った。丹羽館長は「客席はバリアフリーなど含め、いろいろな面から考えた。大ホールの構造を踏まえ、設計の皆さんとも相談しつつ、改修を実現していった」と振り返る。
舞台機構・舞台設備の主な変更内容は同劇場運営部長の浅野芳夫さんが説明。舞台や道具バトン、照明・音響・映像設備の改修における変更点をスライドなどで紹介した。
最後に丹羽館長は「2年半という長い改修工事。予算を出してくれた県ほか、アドバイスを頂いた方々、細かな要件を聞き入れてくれた工事関係者にも大変感謝している。素晴らしい姿に生まれ変わった芸術劇場が、皆さまに愛していただけるよう努力していきたい」と述べた。
来場者はスタッフに質問しながら舞台や客席、ホワイエなどを見て回った。
愛知芸術文化センターは5月3日に、全館でリニューアルオープン記念「オープンハウス&ダンス・ワークショップ」を開催。オープンハウスや劇場案内ツアー、子どもたちが劇場スタッフに扮(ふん)して大ホールを案内する「子ども劇場スタッフ体験」、振付師・ダンサーのコンドルズ近藤良平さんらによるダンスのワークショップを行う。