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愛知県芸術劇場で音楽・朗読・舞踊など複合舞台 出演者・スタッフら全員女性

全員が女性で固められた出演者達。主演の倉知可英さん(前列中央)、唯一の男性で監修として参加する西川千雅さん(一番右)

全員が女性で固められた出演者達。主演の倉知可英さん(前列中央)、唯一の男性で監修として参加する西川千雅さん(一番右)

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 愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)コンサートホールで上演されるあいちトリエンナーレ2019舞台芸術公募プログラム「Les femmes dans le tourbillon 渦の中の女たち~今こそ、女性は太陽である。」の記者発表が8月12日、行われた。

公演のデモンストレーション

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 同公演は地元愛知で活動するアーティストを対象とする「舞台芸術公募プログラム」で選考されたもの。コンテンポラリーダンサー・倉知可英さんが、作家・長谷川陽子さん書き下ろしの詩を使い企画した作品で、音楽、朗読、舞踊など複合した内容の舞台で、企画者、出演者、スタッフなど関わる全員が女性だという。

 フラメンコ、朗読、ソプラノ歌手、シンガー・ソングライターなどの表現者、パイプオルガン、ピアノ、バイオリンなどの洋楽器、端唄、筝、篠笛など邦楽勢、ポスターなどに使う写真のカメラマン、劇中の帽子や布花の作家、舞台監督、音響、照明などのスタッフも全員女性。

 倉知さんは名古屋でのモダンダンスの草分け「奥田敏子舞踊研究所」の3代目。6歳から大叔母である奥田さんの元でダンスを学び、1998(平成10)年より仏でジャン=クロード・ガロッタ主宰グルノーブル国立振付センター・グループ・エミールデュボワで2年間研修。その後同カンパニーメンバーとして在籍し、フランス国内や約20カ国のツアーに参加した。2006(平成18)年夏の帰国後にはさまざまな自主公演を行い、17年にはニューヨークのカーネギーホールで公演も行った。昨年は御園座「第71回西川流名古屋をどり」で西川流四世家元西川千雅さんと競演し、デーモン閣下のボーカルでダンスを披露した。

倉知さんは「大正から昭和にかけて活躍した女性解放運動家の平塚らいてうは『元始、女性は太陽であった…』と言っているが、この激動し渦めく現代社会の中で、さまざまな立場で何かに立ち向かって生きている女性たちに対し『今こそ、女性は太陽である』と感じている。今回のトリエンナーレのテーマ『情』に通じるさまざまな感情を表現していく」と話す。

 「女性たちは、さまざまな困難を乗り越えて、この現代社会の状況を受け入れつつも、戦いながら生きていると思う。『女性として』『女性ならでは』の立場から、私たちのずっと培ってきたアーティストとしてのパワーを集結し、皆さまの心に何かを残すものを創り上げたい」と意気込みを見せる。

 今回の公演には唯一の男性として西川千雅さんが監修として参加。西川さんは「今はジェンダーが改めて見直されている時代。世界的なme too運動から活発に議論が起きているし、あいちトリエンナーレでも同数の参加になり、このタイミングで女性だけの舞台は、いろんな期待と注目を集めると思う」と話す。

 上演は9月23日。開演時間は17時30分。指定席(1・2階)=3,000円、自由席(3階)=2,000円で、チケットは愛知県芸術文化センタープレイガイドで販売する。

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