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松坂屋名古屋店に「柳橋きたろう」3号店 江戸前ずしの技で地物のおいしさ届ける

中野里陽平社長(左)と「柳橋きたろう」松坂屋名古屋店の森本滋店長(右)

中野里陽平社長(左)と「柳橋きたろう」松坂屋名古屋店の森本滋店長(右)

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 江戸前ずし店「柳橋きたろう」の3号店が3月1日、松坂屋名古屋店(名古屋市中区栄3)本館9階にオープンした。経営は、東京をはじめとした関東圏で「築地玉寿司(ずし)」などの江戸前ずし店を展開する1924(大正13)年創業の「玉寿司」(東京都中央区)。

江戸前ずしの技術が光るメニューの数々

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 「柳橋きたろう」のテーマの一つが地産地消。市場で仕入れた海の幸の魅力を、江戸前ずしの技術によって伝えることを追求する。社長の中野里陽平さんは「市場には、その土地ならではの『おいしさ』が集まる。また江戸前ずしは、魚の頭からしっぽまで、皮や骨も余すことなく使い切る、サステナブルともいえる技術と心意気が土台となっているのが特徴。江戸前ずしの技術で土地のおいしさを伝えたいと考えた」と話す。

 2014(平成26)年に柳橋中央市場(名古屋市中村区名駅4)内に1号店、2015(平成27)年には市場の場外に2号店をオープンした。中野里さんは「もともと名古屋では先代社長の頃にも店舗を展開していた。一度は店舗撤退を余儀なくされたが、名古屋との縁を守りたいとの思いが強くあった。新型コロナ禍の影響がある中で、3号店オープンにこぎ着けたことは非常に感慨深い」と振り返る。

 店内はカウンター7席とテーブル席24席で、半個室も用意する。白木を基調にし、店内奥の壁面には桜の絵が描かれている。「百貨店内ということもあり、女性のグループ客での利用も多いだろうと予想した。複数人で来店しても落ち着いて過ごせる空間づくりを目指すのはもちろん、小食な人でも食べやすい量を意識し、楽しみながら選べるようメニューのバリエーションにも気を配った」と中野里さん。

 メニューに並ぶのは、「究極の11貫」(5,280円)をはじめ、特製の漬けだれで仕込んだ「づけ鮪(まぐろ)」(1,320円)、客の目の前で切り身をあぶって提供する「のどぐろ焼き挟み巻き」(1,100円)など。「活(い)きあわびの肝醤油(きもじょうゆ)」(2,200円)や「鯵(あじ)の薬味巻き」(990円)など、三河湾や伊勢湾で取れた海の幸を使った料理や、「名古屋コーチンの玉子焼き」(968円)といった名古屋の特産品を使った料理もそろう。「食材の無駄を出さないよう、余ってしまいそうな部位を使ったその日限りのメニューが登場することも」(中野里さん)。

 オープンに際し、松坂屋名古屋店限定のメニューも開発した。アジを使った「なめろう」は、甘みのある信州みそを使った「白」と、愛知県の赤だしをベースでアクセントの唐辛子を入れた「赤」の2種類を用意(各968円)。愛知県の県魚のクルマエビを味わう「茹(ゆ)で上げ車海老(えび)」は、その名の通りゆで上がったクルマエビが1尾丸ごと提供される。

 中野里さんは「店名の『きたろう』は、気軽に足を運ぶ様を表す『来たろう』と、太い老樹という意味で造語した『樹太老』をかけている。老樹のようにどっしりと根を張り、足を運ぶ方々を迎えたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は11時~21時。

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