「京都嵐山オルゴール博物館」のコレクション展が12月21日、金山南ビル美術館棟(名古屋市中区金山1)で始まった。
「オルゴールミュージアム展 in NAGOYA 残された音~自動演奏楽器の歴史をめぐる旅~」と題して開催。主催は京都嵐山オルゴール博物館展実行委員会。4階・5階2フロア(390坪)の会場に同博物館では非公開も含む120点以上のコレクションを展示する。
展示内容は、「オルゴール誕生のきっかけになる重要な発明」として紹介されるカリヨン組み鐘とゼンマイの紹介に始まり、「世界最古のオルゴール」、宝飾品、シリンダーオルゴール、ディスクオルゴール、オートマタ(自動人形)、蓄音機、大型自動演奏楽器、現代のオルゴールなど。音色、大きさ、造形、構造、装飾など異なるオルゴールの姿を通して自動演奏楽器の歴史を紹介する。
4階に展示する同展の目玉の一つの「世界最古のオルゴール」は1796年に作られた手紙をロウで封印する高さ=4.2センチ、横幅=3.6センチの「印章」の中に組み込まれたもの。1994(平成6)年の同館オープン後まもなく、スイスのオルゴールメーカー「リュージュ社」の創業家から譲り受けたコレクションの一つだという。会場では内部構造や同展のために収録した音色を音声付き映像で紹介する。
5階フロアの一角には、もう一つの目玉で自動演奏装置が組み込まれた約100年前のピアノ「スタインウェイ デュオアート」を展示。自動演奏にはピアニストの演奏を記録したロール紙を使う。ペダリング、アクセント、細かな指のタッチまで忠実に再現しているという。会場では、作曲家でジョージ・ガーシュウィンの曲「ラプソディ・イン・ブルー」を約100年前に本人が演奏した時の記録を用いて自動演奏する。5階では学芸員による解説ツアーも実施する。
そのほか、天然の色を残した約100年以上前の鳥のはく製をからくりで動かしながら鳥のさえずりのような音を出す「シンギングバード」や、競馬のゲームをオルゴール演奏とともに行うディスクオルゴールなどのコレクションも用意する。
同博物館主任の佐野功さんは「『あれもこれもオルゴールなの?』と驚くと思う。音楽や芸術のほか機械が好きな人にも楽しんでもらえる」と話す。同展のために新たに調査した情報も含む解説のほか、QRコード経由で撮り下ろしの演奏動画(コレクションの全てには付かない)も用意する。「生演奏を聞くだけでなく解説を読みながら回るとより一層楽しんでもらえるのでは」とも。
会場内は撮影自由。
同美術館棟の開館時間は平日=10時~19時(最終入館は18時まで)、土曜・日曜・祝日=9時~20時(同19時まで)。入場料は、一般=1,700円、大学・中高生=1,500円、小学生=700円(未就学児は無料)。12月31日~1月2日は休館。1月21日まで。