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愛知県美術館で県陶磁美術館と共同展覧会 4人の学芸員が企画

(左から)異なる土の色で表現した浅井裕介さんの作品の前で紹介する、愛知県美術館の中野悠さん、石崎尚さん、愛知県陶磁美術館の佐久間真子さん、大西遼さん

(左から)異なる土の色で表現した浅井裕介さんの作品の前で紹介する、愛知県美術館の中野悠さん、石崎尚さん、愛知県陶磁美術館の佐久間真子さん、大西遼さん

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 愛知県美術館(名古屋市東区東桜1)と愛知県陶磁美術館(瀬戸市)による共同企画展「コレクションズ・ラリー」が1月16日、愛知県美術館で始まった。

縄文土器や土の色味や手触りを感じる美術作品を展示する1章「JOMON」会場の様子

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 両館から同世代の学芸員2人ずつ計4人がそれぞれテーマを立て、オムニバス形式で作品を紹介する同展。陶磁美術館が休館になったことをきっかけに企画した。約150点の展示作品は近現代の美術作品や陶磁資料などで構成する。

 1章は「JOMON」。縄文土器や土偶のほか、土の色味や手触りを感じる美術作品などを展示する。陶磁美術館の佐久間真子さんは「やきものの中でも特殊で人気が高い縄文土器。考古学的に迫るのではなく、土器の形や模様、作家作品を一緒に楽しんでもらえたら」と話す。

 2章の「うーまんめいど」は女性作家作品を集めた。県美術館の石崎尚さんは「著名な作家に偏らないよう、一般にはなじみは薄いが重要だと思う作家を紹介する。芸術として見られてこなかった『手芸』の要素を持つ美術作品も展示する」と話す。

 3章は「ハードロック/ヘヴィメタル」。直訳した「硬い岩」と「重い金属」の文字通り、石や金属で作られた大きく迫力のある作品を展示する。県美術館の中野悠さんは「両館が持っている重量級の作品を集めた。戦後の立体美術の多様さを見てもらえる」と話す。

 4章の「祈り 仏教美術の世界から」は、信仰の対象となった立体造形物や絵画、「仏像」をテーマにした近現代作品、仏具、素材違いのこま犬、高貴な人の骨つぼなどを紹介する。陶磁美術館の大西遼さんは「仏教美術と近現代の仏画などが同じ空間で見られるなど、時代を超えた内容」と話す。

 「通常、一度にたくさんの展示品を別会場に移すことはないが、陶磁美術館が休館中だからできた」と佐久間さん。中野さんは「学芸員同士でやりとりを繰り返したことと、異なる4章を巡る展示構成から、タイトルを『ラリー』にした」と話す。

 1月21日・2月10日・4月6日(11時~12時)、3月8日(18時30分~19時30分)には学芸員による展示説明会を行う。各回先着30人、申し込み不要。

 開催時間は10時~18時(金曜は20時まで)。月曜(2月12日除く)・2月13日休館。観覧料は、一般=500円、高大生=300円、中学生以下無料。4月14日まで。

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