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鶴舞でアール・ブリュット展 街の歴史とも関連する「動物園」をテーマに

「鶴舞ART ZOO」会場の様子

「鶴舞ART ZOO」会場の様子

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 アール・ブリュット作品展示イベント「鶴舞高架下 ART ZOO」が2月9日、鶴舞高架下商店街(名古屋市中区千代田5)で始まった。

会場が位置する「鶴舞高架下商店街」の入り口

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 主催は「名古屋ステーション開発」(中村区)と「ジェイアール東海エージェンシー」(同)。作品コーディネートと空間デザインは、「竹田印刷」(昭和区)が手がける。

 「名古屋ステーション開発」企画開発部の安藤冬偉さんによると、竹田印刷から鶴舞地区でアール・ブリュット作品を展示する機会がないかと相談があったという。安藤さんは「空き区画を活用したイベントを行うことで、鶴舞地区のにぎわい創出、障害のある人の芸術活動の支援に貢献したいと賛同した」と話す。

 アール・ブリュットは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人による芸術」「表現に対する衝動のまま描かれた芸術」を指し、障害者のアート作品を指す場合にも使う。同イベントでは愛知県内の福祉事業所などに通所するアール・ブリュット作家27人の作品を展示する。

 会場では動物をモチーフとする作品を展示する。現在の鶴舞公園の南西部には、1918(大正7)から1937(昭和12)年まで名古屋市立の動物園があり、安藤さんは「鶴舞は名古屋市の動物園のはじまりの地であり、アール・ブリュット作品には動物が描かれたものも多い。それぞれの要素をからめ、動物園や動物をメインテーマにした」と振り返る。

 題字のデザインは生活介護事業所「ヨナワールド」(名古屋市中区栄5)に通所する貝沼駿さんが手がけた。愛知県は愛知県障害福祉課と愛知労働局、ハローワークが共同で、障害のある人が会社と雇用契約を結び、在宅または作業所で創作活動を行う「アート雇用」を推進しており、今回の展示には「竹田印刷」が「アート雇用」する作家の作品も含まれる。

 「竹田印刷」のアートディレクターである安井和男さんは「開場中は無人であることを考慮して、作品保護の観点から原画ではなくターポリンに印刷したものを展示する。広告の賞を受賞した作品や描き下ろし作品もあり、作者の個性が輝く作品を楽しんでもらえたら」と笑顔を見せる。「街の歴史も知ってもらいたい」(安藤さん)と、会場ではかつてあった動物園を記録した写真も展示する。

 開場時間は9時~20時(日曜・祝日は16時まで)。5月6日まで。

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