メニコン芸術文化記念財団が2月19日、メニコン シアターAoi(名古屋市中区葵3)で2024年度主催事業ラインアップ発表会見を開いた。
同劇場は2023年4月にプレオープンし、7月に「歌劇 あしたの瞳2023」でグランドオープンした。2023年度は演劇、音楽など、プレイベントを含め13プログラムを行った。同財団代表理事の田中英成さんは「昨年1年間、素晴らしい公演が数々繰り広げられたが、さらに良い劇場を目指して頑張っていかなければいけない。文化を発信することで、元気な名古屋をつくっていくのが私の夢。地域に根付きながら、新しい試みにチャレンジしていきたい」とあいさつした。
芸術監督の山口茜さんは「この1年は芸術監督として、劇場とはどういう場所であるべきかを考える機会を得た。人が集まる、楽しむ場であるが、野球場や居酒屋ではなく、劇場でなければならない理由を考え続けている。現在子育てをしており、子どもが育っていく姿を間近に見ている。演じたり、歌ったり、踊ったり、絵を描いたりという自分の中からあふれるものを表現することは、人間の根源的な欲求だと見せつけられる。それは目に見えないものと接続しようとすることで、これが舞台芸術を見る理由、喜びだと感じる」と振り返った。
山口さんは、2024年度の主催事業12プログラムのラインアップを発表。4月20日・21日の演劇ユニット「ばぶれるりぐる」の公演「川にはとうぜんはしがある」を皮切りに、演劇、音楽、伝統芸能など多彩なジャンルの作品が上演される。山口さんは、11月23日・24日に脚本演出を務める子ども向けの新作舞台を上演するほか、自らがホスト役となり映画や演劇の作品鑑賞とトークセッションを行う「芸術監督トークシリーズ」を行う。会見には、劇作家・演出家の永井愛さんや劇作家でパフォーマーの横山拓也さんらが出席。公演に向けた意気込みを語った。
山口さんはラインアップについて「人間の根源的欲求が目に見えないものとの接続ならば、劇場は、見えないようにされている人たちや、普段生きている中で抑圧している思いや感情と、出合う場所だと考えたい。ラインアップしたカンパニーやアーティストの皆さんの作品は、そういった自分の中に抑え込んだものとの出合いになると思っている。期待して劇場に足を運んでもらえたら」と自信を見せる。