日本舞踊「西川流」が「第77回 名古屋をどりNEO傾奇者(かぶきもの)」を10月19日・20日に岡谷鋼機名古屋公会堂(名古屋市昭和区鶴舞1)で開催する。
名古屋をどりは、西川流が1945(昭和20)年の終戦直後から、名古屋宝塚劇場、中日劇場、御園座など、名古屋の中心地で会場を移しながら公演を続けている舞台。2022年からは、誰もが楽しめる日本文化のエンターテインメントを凝縮した「名古屋をどりNEO」と、伝統的な日本舞踊を中心とした「名古屋をどりCLASSIC」の2種の公演を行っている。
3回目となるNEOは、公会堂全館を貸し切り、建物の内外を使用。舞台公演のほか、芸妓(げいこ)によるレッドカーペット練り歩き、観光イベントやマルシェなども開く。同日に市内で開催する「名古屋まつり」「やっとかめ文化祭」とも連携する。
今回は、能登半島地震による被害を支援する「いしかわ応援」企画も実施。石川県をフィーチャーしたイベント・物販、館内での募金などを予定している。
大劇場は2部構成。昼の部「全国芸妓博覧会」は、全国から2日間で計9の芸妓団体が集まり、芸を披露する。石川県からは「金沢にし芸妓」が出演する。
夜の部「NEO舞踊劇 名古屋ハイカラ華劇團(かげきだん)」は、西川流四世家元の西川千雅さんが作演出・主演を務め、西川流の舞踊家のほか、名古屋出身の俳優、ダンサーらが出演する。背景には巨大LEDの映像が流れ、長唄や清元の生演奏とオーケストラによる音楽が奏でられる和風ミュージカルのような舞踊劇。昭和初期の名古屋を舞台に、名古屋をどりが生まれる前夜の物語を芝居と踊りで描く。
歌舞伎役者の名人・御神昨五郎を千雅さん、その弟子しげるを「BOYS AND MEN」の本田剛文さんが演じる。ほかに「OSK日本歌劇団」で名古屋出身の華月奏さん、エンタメグループ「BMK」の佐藤匠さん、大衆演劇「ナゴヤ座」の名古屋山三郎さん、アクショングループ「RE-act」の手嶋政夫さんなど、名古屋ゆかりの出演者が集結。歌手・俳優として国内外で活躍するすみれさんが、日系二世の天才歌手として特別出演する。
千雅さんは「名古屋をどりは昭和20年、戦後の復興のために生まれた公演。今回の舞踊劇はその初めてを描く。今年は石川県の復興を願って、この作品を作った。公会堂4階では石川県コーナーを設け、さまざまな特産品を並べて盛り上げていく」と話す。
大ホールの開演時間は両日とも、昼の部=11時、夜の部=17時。入場料は、SS席=1万1,000円、S席=8,800円、A席=5,500円。