大学生80人が手がけた映画、3年を経て映画館で一般公開へ

「ライフ・イン・モーション」撮影風景。制作スタッフである大学生が回りを囲む。

「ライフ・イン・モーション」撮影風景。制作スタッフである大学生が回りを囲む。

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 スターキャット・エンタープライズ(名古屋市中区錦1)は4月22日、名古屋学芸大学(日進市岩崎)の学生約80人が中心となり、プロスタッフの協力で制作されたフィルム映画「Life in Motion(ライフ・イン・モーション)」のマスコミ試写会を行った。

 名古屋学芸大学では、2005年に同大学教授で写真家の西宮正明さんの声かけがきっかけの映画制作企画「NUAS(同大学の英訳の頭文字)映画プロジェクト」をスタートさせた。授業の一環やサークル活動ではなく、学科、学年など垣根を越えて学生が自主的に参加できるプロジェクト。企画をはじめ、資料集め、脚本、撮影、衣装、メークなど映画制作に必要な役割を学生が中心となり行い、撮影からはプロスタッフが参加する。「このプロジェクトは、学校内で行われるインターシップ。企業がメーンで学生がそこに参加する形ではなく、学校がメーンに映画製作を行う。プロは主に技術的な指導に当たり、実際の作業は学生が中心となって行った。このような試みは初めてでは」(同大学の渡部教授)と話す。

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 「ライフ・イン・モーション」は、同プロジェクトの第1作目。2005年の9月から約5週間かけて撮影が行われた。内容は、主人公である学生が映画制作プロジェクトの責任者に抜擢されることに始まる。ストーリー内では、坂本龍馬などを撮影した日本初の写真家「上野彦馬」をモチーフにした劇映画を制作することが設定されるが、その中で、初めての映画制作に対する戸惑い、脚本づくりへのつまずき、スタッフをまとめることの難しさなど、ストーリーの背景が、学生の目線で描かれている。主演は、JUNYAさんと鎌田聖菜さん。主演を含め出演者の大半が新人俳優や学生で、その中にあいはら友子さん、綾田俊樹さん、筒井康隆さんといった俳優が加わる。

 今回は初めて、スターキャット・エンタープライズが経営する「伏見ミリオン座」(中区栄1)での上映も決まった。同社は企画について、「学生たちが尽力した秀作を埋もれたままにしておくのではなく、興行会社としてスポットライトを当てることで生きた作品に戻し、人材発掘に寄与できれば」という。

 制作に関わった学生はすでに卒業しているため、在学中のプロジェクトに参加している学生がスタッフとして現在活動し、宣伝物の作成、パブリシティー活動、興行スタッフとして上映期間中は劇場での勤務、映写体験など現場を体験する。「人に見てもらうことで、映画として初めて成り立つものだと実感した」と宣伝スタッフの同大学メディア造形学科の梅村さん。

 渡部教授は「『こうしたやり方で』と指示してしまえば楽だが、このプロジェクトは学生がメーン。学生がやりたいことを存分に引き出すため、押し付けにならないように指示し、バックアップした」。「学生である分、夜の撮影ははなから頭からはずし、学校への行き帰りの専用バスの時間も限られているため、時間には気を遣った。費用面も考えると撮影場所は近場をセレクトすることや、雨のシーンは校内の放水栓を使用するなどやりくりをした」と、制作過程を振り返る。

 上映日時は、5月17日~23日の21時~22時30分。鑑賞料は、当日=700円、前売り=500円。22日の上映前には、同大学非常勤講師で「ライフ・イン・モーション」を監修した仙頭武則さんによるトークショーを行う。

 同プロジェクトは現在、2作目と3作目の編集段階に差し掛かっており、今後もどこかで一般公開ができれば、と期待を持っている。

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