愛知芸術文化センターの「裏側」見学-「あいちトリエンナーレ」企画で

オープンアーキテクチャーで行われた奈落体験(愛知芸術文化センター大ホールで)

オープンアーキテクチャーで行われた奈落体験(愛知芸術文化センター大ホールで)

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 愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で8月15日、普段一般公開されていない建築物などを特別公開する「オープンアーキテクチャー」が行われた。

コンサートホールの裏側を見学

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 同企画は愛知県内で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」のプログラムの一つ。建築は同芸術祭の大きなテーマとなっている。通常は見られない建物の内部を見学し、つくり手が込めた思いや使い手の愛着を本人やゆかりの深い人から聞いたり、音楽・演劇などを鑑賞したりする空間体験プログラム。大学、一般の邸宅など14カ所を巡る。

 第1回の会場となった建築物は愛知芸術文化センター。応募者800人から選ばれた300人が2部構成で同センターの特徴を見学し、クラシック音楽鑑賞などを楽しんだ。

 第1部は4階コンサートホール。司会の音楽批評家・中村ゆかりさんがホールの特徴を紹介。ピアノ、バイオリン、オーボエなどの奏者らが登場し、楽器などで動物の声を担当してクラシック音楽による「ブレーメンの音楽隊」を演奏した。ステージ上にはトリエンナーレ出品作家の山下拓也さんが制作したスライド画が映り、集まった親子の目を楽しませた。音楽鑑賞の後はバックステージの見学。世界最大級のパイプオルガンの内部構造や、普段は見られない楽器庫、楽屋などを自由に見て回った。ステージ上では奏者らに質問をして、音楽に親しんだ。第2部は2階大ホールに移動。同じ楽器を演奏し、コンサートホールとの響きの違いを体験。舞台機構を使ったショーを鑑賞した後、150人ずつに分かれてステージ上に乗り、奈落体験を楽しんだ。

 中村さんは「コンサートホールでの演奏はテレビのコマーシャルなどで聞き覚えのあるような親しみのある曲を選んだ。初めて生のクラシック音楽に触れる子もいるので、演奏を味わってもらえるよう曲の長さも工夫した。大ホールは日本でも他になかなかない規模で、本センターの自慢の施設。音楽や舞台を楽しんでもらうために、普段はスタッフが見えないようにしている部分を知ることができる貴重な機会」と話す。

 オープンアーキテクチャーは今後、トリエンナーレ出品作家設計の愛知産業大学言語・情報センターや江戸期からの歴史建築、多様なライフスタイルを表現した個人宅、地域文化を反映した百貨店、喫茶店などで開催(名古屋市美術館を除き募集は終了)。空間や歴史の豊かさを伝える。

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