クラシック音楽と現代アートを街中で楽しめるフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ2016」が、築地口から名古屋港エリアを会場に9月22日から開催される。
「Assembridge(アッセンブリッジ)」は、「集める」「組み立てる」などの意味を持つ「Assemble(アッセンブル)」と「Bridge(ブリッジ)」を組み合わせた造語。音楽とアートを架け橋に、まちと人が出合うことでつながりが生まれ、新たな文化が育まれていくようにとの願いが込められている。
初日から4日間は、クラシック音楽奏者総勢200人が集まりイベントのオープニングを彩る。メインステージとなるのは、「水」の名を冠にした「水の劇場<ヴァッサービューネ Wasser Bühne>」。海の見えるガーデンふ頭に特設され、野外でくつろぎながら一流の音楽を楽しむことができる。
同会場では、今年50周年を迎えた「名古屋フィルハーモニー交響楽団」(名古屋市中区金山1)が初の屋外フルオーケストラコンサートを行うことにも注目が集まっている。現代フランスを代表するピアニスト、ジャン=マルク・ルイサダとの共演が決まっているという。
その他、「ポートハウス」「名古屋港ポートビル」「名古屋港水族館」など、港町に点在する各会場でさまざまな公演が予定されている。ベビーカー乗り入れ可能な公演や、乳幼児も楽しめるキッズ公演も企画されており、「家族で気軽に立ち寄ることのできるコンサート」づくりも心掛けているという。
併せて期間中は、国内外18組のアーティストが参加する現代美術展「パノラマ庭園-動的生態系にしるす-」も開催。名古屋港かいわいを一つの庭(生態系)に見立て、作庭するように、まちにアーティストや作品が入り込み、その庭(生態系)に「何かのきっかけ」を残すことを試みるという。
アーティストが名古屋港エリアの特性・背景をさまざまな角度から読み込みながらリサーチを行い、新たに制作した作品を中心に発表。アーティストによる空き家を利用した期間限定のカフェスペースの運営、ワークショップやトークなどのイベントも企画されている。
9月24日には、「アイデアをどのようにして印刷物として形にするのか」をテーマに、そのプロセスを体験できるワークショップも開催。講師は、1970年代よりロンドンで活動し、これまで1000冊にも及ぶ本を出版してきた「コラクル」と、プレイベントでも本をテーマに展示企画を行った渡辺英司さんが務める。
そのほか、ファッションブランド・シアタープロダクツのメンバーによる作曲と演奏のワークショップ「トラベルムジカ」や、名古屋港エリア内の宿泊施設と連携した「アートホテルプロジェクト」、参加者とワークショップ形式で改修を進めた「空き家再生スクール」、コミュニティーガーデンを展開する「みなとまちガーデンプロジェクト」との連携など、港町ならではの展覧会の広がりも見せる。
同イベント担当者は呼び掛ける「敷居が高いイメージのあるクラシック音楽と現代アートを身近に、より気軽に楽しめる同イベント。この機会に港町に足を運んでみてほしい」と。
10月23日まで。トークイベント、ワークショップなどの詳細や予約方法はイベントホームページで確認できる。