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勅使川原三郎さんらが名古屋で会見 あいちトリエンナーレでオペラ「魔笛」上演

(左から)森谷真理さん、勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん

(左から)森谷真理さん、勅使川原三郎さん、佐東利穂子さん

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 栄の愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で8月24日、ダンサー・演出家の勅使川原三郎さんらが国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」で上演するプロデュースオペラ「魔笛」についての会見を開いた。

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 「魔笛」はモーツァルトが作曲したオペラの代表作。あいちトリエンナーレではイタリアのガエタノ・デスピノーサさんを指揮者に迎え、妻屋秀和さん(賢者ザラストロ役)、森谷真理さん(王女パミーナ役)ら実力派歌手が出演。勅使川原三郎さんは演出、美術、照明、衣裳を担当する。ダンサーは佐東利穂子さん、東京バレエ団が出演し、管弦楽は名古屋フィルハーモニー交響楽団、合唱は愛知県芸術劇場合唱団が担当する。

 この日、勅使川原さんは森谷さん、佐東さんと共に、大村秀章愛知県知事を表敬訪問。その後、同センターで会見を開いた。

 勅使川原さんは「演出だけではなく、装置デザイン、照明デザイン、衣裳デザイン、振付など、舞台で起こる音楽以外のことを全て担当している。僕が示したことを具体的にやるのは、歌手やダンサーの皆さんで、彼らに託さなければいけない。その稽古がとても順調で、後は細かいことを詰めていくところまで来た。とても楽しみな気持ちになっている」と笑顔。

 森谷さんは「オペラが終わって家に帰った後も、見ていただいた観客に余韻として残るようなパフォーマンスを目指している」と意気込む。佐東さんはダンスのほか、ナレーションも担当。「ダンス、ナレーションを通して、音楽の流れを途切れさせることがないよう、舞台の一部になれたらと思っている」と話す。

 精鋭のダンサーの参加とともに、歌をドイツ語、せりふを日本語のナレーションで演出することも注目点。勅使川原さんは「歌と歌の間にある演劇的な芝居の場面を、日本語のナレーションにした。単純化してコンパクトにすることで、歌唱や音楽をより引き立たせたい。演劇的な要素を排して、舞踊的な要素である身体の動きで内容を豊かにする。ダンスは常に音楽に沿ったものにして、歌の魅力を際立たせることを大事にした」と演出の意図を語る。森谷さんも「歌手が音楽に集中できる場所が増えていると感じている」と手応えを見せる。

 最後に勅使川原さんは「広くほかの芸術を含めた芸術祭なので、通常はオペラを見ない人が来る。まったく聴いたことがない人が、いいなと思うかもしれない。これはとても大事なこと。この作品をよく知っている人は、今までと違う部分を見るというより、新たなものを見るという気持ちで観劇していただけたら。古典にはその都度、新しい演出があるはずで、作品に対して今生きている人間が全力を投じて取り組むことが大切だと考えている。2016年9月に日本人が名古屋でこの作品を上演する意味が感じられる舞台にしたい」と話した。

 プロデュースオペラ「魔笛」は9月17日・19日、愛知県芸術劇場大ホールで上演。開演時間は15時。料金は3,000円~1万5,000円。チケット取扱は愛知芸術文化センター内プレイガイド(TEL052-972-0430)ほか。

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